偶然の出会いだった。偶然の再会だった。
その偶然が積み重なった奇跡のことを、人は運命と呼ぶのだろう。
プルルルルッ。
ピッ。
「はいはい、出たよ。おはよう」
『ああ、キラ。朝早くにすまない』
「ううん、起きてたし。って言うか起こされたんだけど」
『…やっぱりそこにいるのか?』
「うん。5時過ぎに窓から入ってきて叩き起こして散歩に付き合わせた挙句、僕のベッドで二度寝してる」
『…。分かった。すぐに迎えに行く』
「あ、余裕あるなら1時間くらい後にして欲しいんだけど、いいかな?」
『1時間? それくらいなら構わないが、何故?』
「今から起こして朝ごはん食べるから」
『…まだ食べてなかったのか』
「だから、叩き起こされてすぐに散歩行ったんだよ。まだ母さんも誰も起きてなかったし」
『…』
「あ、今それくらい自分で作れって思ったでしょ」
『自覚してるなら直せ』
「やだ。でさ、アスラン。昨日は何があったの?」
『何も言っていないのか?』
「うん。愚痴も絶叫もなし。本当に散歩しただけ。で、何があったの」
『…カガリが言わないのに俺が言うわけにはいかないだろ』
「けち。妹の心配くらいさせてくれたっていいだろ」
『姉じゃないのか』
「違う。妹。絶対に妹だからね」
『お互いいつまでたっても譲らないな』
「カガリは頑固だからね」
『お前もだろ。本当にそっくりだよ、お前たちは』
「そりゃどうも。…あ、ご飯出来たみたいだ。じゃ、後でね」
『ああ。…すまないな、いつも』
「アスランに謝ってもらうことじゃないよ。僕は何も出来ないんだから、愚痴の相手くらいにはならないとね」
『そうか。じゃあ、一時間後に』
「うん」
プッ。
「…さてと。カガリ、カーガーリー。朝ご飯出来たよ」
「んー…。もう少し寝かせろー…」
「おにーさんのベッドを占領しておいて言うセリフじゃないよ、カガリ」
「誰が兄だー。お前はおとーとだろー」
「寝ぼけながら言わないでよ。早く起きてってば。僕もうお腹減ってるんだから」
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キラとアスランと見せかけて内容は双子。
最近固い話ばかりだったのでちょいと息抜きに。はー、さっぱり。
ところで最初の二行、結構誰と誰にでも使えそうなフレーズですよね。何たってディスティニーなんですから。
でも種・デス種通じて現在のところで運命の出会い、とまで称したいのはキラとカガリくらいです、私。