LIKE A WIZARD，LIKE A WITCH！

　総括
　まぁいつものロゼゲーです。「私は面白いと思ったけど、人にお勧めするのは躊躇うなぁ…」というアレ。
　怪談ロマンスのシリーズはシナリオをいつもの五月さんともう１人で書いているらしいんですが、このもう１人の人の文体が今一苦手です。「いや一々そんなこと言わなくていいから」という感じで、クドい。具体的に言うと、逢魔時だと「私って性格悪いなぁ」、百鬼夜行だと「私って本当に、良い子ぶってるわよね」、死神だと「私ってやっぱりファザコン…」、という意味合いのヒロインの独白がね。多い。１回や２回じゃないよ出てくるの。「いやそういう風にヒロインの性格を強調するのって要らないから」と言いたくなるんですよ、ほんとにクドくて。代表はこれですが、他にもちらほら気になるところがあって、文体が苦手です。
　絵柄は大分慣れました。
　システム周りは特に不満はありません。

　全体的な満足度は今一なんですが（燃えられる話・ルートが少なかった）、あほの子こと焔が予想以上に可愛くて燃え上がったので結果的には良し！です。
　あほの子を更に愛でたいんで続編希望！（笑）


・蓮司さん
　この人の恋愛模様が…何と言うか…こうね、「光源氏と紫の上」な話だったので…「え、ちょっと待って。それって貴方いつから…」と思わざるを得ず、ちょっと…うーん、ごめんなさい、でした。
　他ルートだと過保護なお父さんって感じで悪くなかったんだけどな…。
　真相ルートがまたバッドエンドじゃなかったことに吃驚です。えーとロゼさんちょっと宗旨替えしたの？（失礼な…）
　この人のルートは、この人本人より、あれこれとお節介を焼くあほの子こと焔が可愛くて仕方なかった…！（オイ）　特に真相ルートの「真・死神稼業」！　「俺ってもしかして…」の件がもう「ああああああほの子ぉぉぉぉぉ！　何やってんのよもう可愛いなぁあほの子だなぁうあああああ」と悶えました（笑）


・焔
　あほの子。可愛くて仕方ないあほの子。もう堪らん。
　ありがちと言えばありがちな過去、ありがちなルートなんだけど、だからこそ美味しかったですありがとう。もうこいつは本当にガシガシと頭を乱暴に撫でくりまわしたいよ！
　あと個人的にコイツのＣＧは構図とか良かったのが多かったなーと思う。河原で遊んだあとに肩にコツンってしたシーンとか、堪らんかった。
　浅沼さんの演技も良かったですよー。初・乙女ゲーがロゼってのも何だかな（笑）　もっと焔を演じて下さい浅沼さん！
　エンディングは結末１より結末２の方が好みだったな。この結末でも近いうちに死神を辞めるだろうけどさ。


・雨水
　ほっしーの声が好みの声音だったのでそこにほわほわした（笑）
　死神っつー仕事に関してヒロインに考えさせるルート、ですね。すごく円滑に終わった印象。
　ああそう、このルートでもあほの子が活躍するんですよ（笑）


・織瀬さん
　漢字の画数が多い！（笑）
　ロゼゲーお馴染みのドＳ。と思いきや、後半は結構なデレデレ状態でした。つーかキャラとしてはアラロスのライルに似てるかも。
　何か今一食指が動かなかったのでサクサク進めましたねぇ…。ああ、水族館のＣＧは綺麗でした。


・藤代
　ロゼゲーお馴染み・石田さんお得意の変人キャラ。
　…なんですが。変人にしては今一パンチが足りなかったですねぇ…。もうちょっとこう、突き抜けて欲しかったと言うか。感性が変なのは間違いないんですが、今一こう…うーん。もにょる。
　あ、妹のキャラは良かったです（笑）


・千歳
　乙女ゲーの女性キャラってのはどうしてこうもヒロインにベタ惚れがデフォなのか。
　やっぱりほら、例えば学園物なら、４月にクラス替えで偶然席が近くて消しゴムを借りたことから始まり、些細なことで喧嘩したり、でもちゃんと謝って仲直りできたり、彼氏とのデートを優先しちゃって友情にひびが入りかけたり、彼氏は大好きだけど貴女も大好きなのは本当なのよ、ごめんね、って更に友情が深まったり、最後は「むしろ男なんて要らねぇよヘッ」な百合一歩手前つかモロに百合っつか、なエンドへ至る道をしっかりがっつりルートとして作って欲しいと常々思っているんだが。
　節子、それ乙女ゲーやない。百合系ギャルゲーや。
　…敢えて言うなら、ハトアリのビバ様は結構↑な感じかもしれない。


・東海林さん
　何故か固定ルート有の攻略対象だと思い込んでいた謎の人。何で思い込んでたんだ…？
　「親戚のお兄さん」ポジションが美味しかったです。サブエンドの膝にちょこんと座るＣＧは可愛かったなー。

　まずウンバラルートへの入り方が不満です。
　イシュマールまでクリアした状態でニューゲームで始めると、「ウンバラルートに入りますか？」ってオイ。選択肢そこだけかよ。そこではいを選んだら速攻でウンバラルートですかよ。オイ。
　魔神エンドのルートで毎夜夢の世界に行ってウンバラ好感度を上げていって、エンディングの時点で一定以上の好感度ならウンバラルートに入るっていう風にして欲しかったね！　ニューゲームの時点でゴーゴゴーはつまらんよオイ！
　あと何でウンバラが各ルートのイベントを網羅してるのか、アスパシアがループしている？のに毎回付き従っててウンバラは記憶が継続してるのか、明確な答えが無かったのもなんだかなー。別にそれまでループ設定なかった（ウンバラがセリフで小出しにしていた位）なのにいきなりループ設定を出されても何だかなぁ。

　なんかこうウンバラ→アスパシアはよく分かるんだけどアスパシア→ウンバラっていつ目覚めたのよ…と超展開気味だった…というのが正直な感想。従者だとか別れが決定されてるとか色々と設定は物凄く美味しいのだから、一気にウンバラルートではなくじっくり描いて欲しかったな…と。
　とは言え、他ルートだとどんな目にあっても絶対に泣くことだけはしなかったアスパシアが、あの別れでは泣いてしまった…そして次に泣いたのは、うれし涙だった。それはいい演出だなーと思いました。

　キングダムという国家のあれやこれやの一連の事情と、その伏線の貼り方、各ルートでの伏線の回収の分配などは、物凄く秀逸でした。すっごいいいバランスでちりばめられて、そして全て回収出来ていました。
　惜しむらくは固定ルートへの突入が遅いこと。そして固定ルートに入ったらジェットコースター展開気味で、伏線回収のノルマ達成の為に「そこまで説明しなくてもいいだろ」と話の展開に違和感を抱くほどにがっつり説明してくれたこと、ですね。

　あと、このゲームってイシュマール以外のルートは基本的に「え、ちょっと待ってお前らいつの間にそんなに激しく恋に落ちたのよ」だったような…気が…。
　いやーその、固定ルートに入ってからの恋愛模様は可愛らしいし微笑ましいし素敵なんですけれども、そこに至るまでの惚れる過程がなー…薄いんだよ…気が付いたら完全に惚れまくってたっていう…。そこがちょっと不満…。

　ノリは凄くバカゲーで、メタ的なネタもわらわらと大量に。その辺が好きな人にはかなりお勧めです。しかしヒロイン・アスパシアが強個性である為、自己投影型のヒロインが好きな方・バカゲーなノリはお断りな方には絶対にお勧め出来ない。
　良くも悪くも人を選ぶゲームだと思いますよ。

　システム面に不満は無いですね。ＣＧ閲覧で各ＣＧごとにキャラからコメントを貰えるのがとても面白かったです。オマケＣＧのイシュマール＆ヴィ、あれはいったいなんなんだどういう状況なんだ（笑）
　おまけの「セラと一緒」も結構楽しめました。