まったく、いつまで経ってもコイツは。






かわいいふたり







「…おい。大丈夫なのか、あれは」
「はい? …ああ、大丈夫じゃなさそうですねー。隊長、助けに行かないんですかー?」


 小さいくせに男前なウチの隊長の視線の先は、いつも通りの女の子だった。
 隊長よりはちょっと大きい、でもやっぱり小柄な可愛い女の子。あたしと違って酒は苦手らしい、顔を真っ赤にして、かなりふらついてる。

 そんなに気になるなら、素直に行けばいいのに。


「何でわざわざ俺が…。本当にヤバくなったら藍染が何とかするだろ。お前と違って酒に飲まれる馬鹿じゃねえからな」
「ま、失礼ですね。あたしは酒に飲まれたことなんかないですよ。いつも楽しく飲んでるじゃないですかー」
「飲みすぎなんだよお前は。京楽といい勝負じゃねぇか」


 なんてあたしには言っておきながら、隊長もしっかり飲んでるし。
 子供みたいな顔と体してるくせに、隊長はかなーり酒に強い。あたしもそれを知ったときはかなり吃驚した。今だって焼酎のストレートを水みたいに飲んでるものねぇ。
 しかも飲みながらでも、ちゃっかり視線は外さないしさ。


「…あの馬鹿…!」
「えー?」


 隊長が立ち上がったのは、もう反射的なものだったと思う。あの子の隣の藍染隊長が気付くより早くたどり着いて、荷物を担ぐみたいに肩に担ぎ上げた。
 藍染隊長と一言二言交わして引っ込んだけど…たいちょー、それ、女の子の運び方はそうじゃないでしょー?
 ま、ウチの隊長じゃ、お姫様だっこは難しいか。


「…お見舞いでも行きますかねぇ…」


 どうせ京楽隊長に挨拶にも行くし、ついでに手土産に酒でも持って。
 でもお邪魔になったらどうしようかしらね?

 …ま、そんなわけないか。
 なんたってウチの隊長と、あの女の子だもんねぇ。








隊長が飲んでいるのは御幣をイメージ。
20°の芋焼酎。物凄く美味。
日番谷隊長は酒に強くあって欲しい。




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