『夕闇の中、貴方の前で』
思いついた瞬間どうしても形にしたいと思った一作。
原作内では「狂気の道を進む人物」とあっさり片付けられてアスランにも去られてしまったパトリックだけど、何の理由も無く狂気に走ったのではなく、彼にも守りたいものがあったんだと。悪役、敵役の一言では片付けてしまいたくなかったんです。
アスランがザフトを去る時、そして死に際等、幾度となく見せられた妻と息子の写真。それはパトリックの最後の良心であり、最後の拠り所であったのではないかと思います。
そして個人的にはアスランはザフトを去って欲しくなかった。
パトリックが妻子の写真を大切に飾っている想いを察して、見限るのではなく傍で支えてあげて欲しかった。
狂気へと走る父の根底にある気持ちを理解し、受け止め、その上で諌めることができたならと、思わないではいられない。
まだ16の少年には難しいことを要求している自覚はあるけど、もしそうしていたら、、もしかして。パトリックはジェネシスを実際に照射するまでには至らなかったかもしれない。
勿論仮定の話だから、アスランが離れていなくても照射したかもしれない。今となっては分からないことだけど、でもあそこまで追い詰められることはなかったのだろうと思う。
…と、言う訳で。
アスカガを期待していた方には悪いのですが、パトリックを主軸にしたアスラン誕生日でした。
アスランが月にいた頃を思い出すとかそういう内容でパトリックを書く話は幾つか見つけましたが、さすがにカップリングよりも(むしろアスランよりも)パトリックの方に重点を置いた話を書いたのは私くらいでしたね。
是非とも色物書きと呼んで欲しいものです。
個人的にはパトリックは嫌いではない…と言うか、激しく同情していますので、また機会があれば(と言うよりネタができれば)彼の話を書きたいものです。
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