◆ My Fair Lady?(宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ/ローソンと洋子) 「それで、どの辺が子供なのか説明してもらいましょうか」
「…まだその話を引きずってたのかい?」
戦闘が終了し、バブルボードから出てきた途端の第一声だった。出迎えたローソンはやれやれ、と肩を竦め、その呆れ果てた仕草に洋子の眉がさらに吊り上る。
「当たり前じゃない。あたしの名誉に関わることなんだから、はっきりさせないと」
「名誉って…大袈裟な。洋子君は15歳だろう? 子供の範疇に入って当然の年齢じゃないか」
「精神的に成熟してたら15歳でも立派なレディなのよ! ったくこれだから研究オタクの朴念仁は、違いが分かんないんだから」
「研究オタクって言う点は否定しないけどね。僕にはとても君が精神的に成熟しているレディには見えないよ」
「だからどの辺がよ!」
「君は子供だよ。自分を子供じゃないって主張している内はまだ、ね」
「…」
「ミーティングをするからブリッジに来てくれって、リオン提督からの伝言だよ。僕はTA−29の状態をチェックしてから行くから」
「…分かったわよ」
「…やっぱり洋子ちゃんだけ特別扱いしてるやん」
「そうよねぇ。結構本気っぽいわよね、あれ」
「そうですか? 私には普通の会話に聞こえましたけど…」
「綾乃、鈍すぎ。あれで普通ってありえないから」
「せや。洋子ちゃんも子ども扱いされてるんをかなり気にしとるってバレバレや」
「はぁ、そうなんですか?」
==============
ヨーコの完全版発売記念! ってことで1つ。
完全版1巻、文庫版なら2巻の直後だと思って下さいな。あの会話を踏まえて、です。
…あーでも、あの頃ならまだこの段階まで来てない…な…。…もうちょっと後ってことにしておくか…。
私はローソン×洋子を推奨してるんですが…うんまぁ原作では洋子は誰ともくっつかないで終わると思うよ。それでいいと思う。
父によって生まれ、父の為に生き、父の為に死んでいく筈だった彼女にとって、それは至極当然のことだった。
だから彼女は声を失くしたことを後悔したことなど一度もなかった。
彼と出会うまでは。
「シャーネに似合うと思って」
そう言って、クレアは巨大な花束を差し出した。大人でも抱えるのに一苦労な大きさだが彼がそれを運ぶのに苦慮した様子は全く見られない。おそらくは苦慮など全くしなかったのだろう。彼はそういう人物だ。
シャーネが受け取るには少し大きすぎるが、シャーネはしっかりとその花束を抱き締めた。こんな大きさの花束を用意するのは大変だったのではないだろうか。
「いやぁそんなことないって。何たって愛するシャーネの為だからなぁ」
人目があっても全く臆面もなしにそんな風に言われることにシャーネはまだ慣れない。シャーネの頬が赤くなる。ただしそれは本当に些少な変化で、彼以外気付くことの出来る人間はいない。
「うん、やっぱり似合うな。俺の目は確かだ」
こくんとシャーネは小さく首肯する。この花束が自分に似合うかどうか彼女にはよく分からないが、クレアの目が確かなのは間違いない。花束は様々な種類の美しい花々がバランスよく飾られていて芳しい香りがシャーネ達を包み込む。
「え? あはははは嫌だなぁシャーネ、そんな人前で恥ずかしいじゃないか」
自分はどんなに恥ずかしいことだって臆面なく言ってのけるのに、とシャーネは少し不思議に思う。何しろシャーネは一言も喋っていないのだ。他人にも聞かれてしまうクレアの言葉とは違ってシャーネの思いはクレア以外には絶対に伝わることがないのだから構わないのでは、と思う。
「そうだけど、やっぱり恥ずかしいだろう? シャーネがそう言ってくれるのはそりゃ嬉しいけどな」
シャーネもクレアに愛していると言われるのは恥ずかしいが、それ以上に嬉しくて幸せで仕方がない。
だから、時々思うのだ。
クレアが何度も何度も伝えてくれるように、シャーネもシャーネの言葉で「愛している」と伝えられたら、と。
==============
「バッカーノ!」シリーズでラブラブカップル賞優勝をアイザック&ミリアと接戦で競い合いそうな超素敵カップル・クレア×シャーネ。「バッカーノ!」シリーズでは群を抜いてダントツ1位で大好きなカップリングです。
「1931」でクレアとシャーネに惚れた私は、「1932」から「1933」の間の2人が気になって仕方がないのです…っ!
一体どんな風に再会して何があってあんな風にらぶらぶになったんですかぁあああ!!
書いてくれ成田良悟氏ぃぃぃぃぃ!!(切望)
「不思議だと思わないかい? 心と言っても結局思考を司っているのは全部脳だ。感情の起伏も脳内物質が分泌されているからに過ぎない。つまり僕ら――人間に限らず脳を持つ生物は、心臓があっても脳がなくちゃドキドキ出来ない。
だけど君は頭がないのに動くし考えるし、怒ることも笑うことだって出来る。その様々な感情は何処から来ているんだろうね?」
『知るか。考えても分からないことをいつまでも考えても仕方がないだろう』
「それを考えて考えてつきとめようとするのが学者だよ。明解な解が見つけられなかったら仮説という名の仮の解を作り出す。そして今度はその仮の解が正しい解であることを証明するためにまた考え出すんだ。ま、僕は学者じゃなくて医者だけどね」
『ヤブ医者の間違いだろう』
「失礼な。せめてスズメと言って欲しいね」
『スズメ? どういう意味なんだ?』
「まだヤブにはなってないという意味だよ、セルティ。スズメはヤブに向かって飛んでいくから」
『なお悪い!』
「そうかなぁ。ガケ医者よりはマシだろう? あ、ガケっていうのはヤブすら生えないって意味なんだけどね」
=================
『デュラララ!!』よりセルティ・ストゥルルソンと岸谷新羅でしたー。
ヤマなしオチなしで何が言いたいのかも分からん没ネタ。
ただセルティと新羅の会話が書きたかっただけなのかも。
『デュラララ!!』はよく分からんタイトルなんですが内容はとても良いです。テンポよく読めて、キャラクター多いけどしっかり整理されて書かれてて。
これがシリーズ化して続きとか出たら出たで嬉しいんですが、敢えてこのまま続きを出さないで終わるのもいいですね。<どっちだ
◆ 少女と青年とモトラドと犬の朝食風景(キノの旅) 偶然旅先で合流?
「お早う。キノさん、エルメス君」
「あ、お早うございます」
「…おはよ」
「朝早いんだね、キノさんは。一緒に朝食でもどうだい?」
「シズさんこそ。エルメスはまだ半分以上寝てますよ。じゃあお言葉に甘えて」
「俺は昨日も食べたんだけどね。このホテルのモーニングはとても美味しいんだ」
「へぇ、それは楽しみです」
「キノは味より量と種類だろ?」
「失礼な。味だって重要だよ。勿論量と種類があるに越したことはないけど」
「ほら」
「あははは。安心していいよ、バイキング形式だから量も種類も取り放題だ」
「良かったね、キノ。大食らいのキノでも遠慮なく食べられるよ」
「そうだね。燃料がなくなって動けなくなったエルメスの隣で遠慮なくお腹いっぱい食べることにするよ」
「燃料タンクに手をかけるのは止めて欲しいな、キノ」
「朝から面白いね、キノさんとエルメス君は」
「シズさま。馬鹿と言うのですよ、あれは」
「ちょっと待ちなよ、犬。何が馬鹿だって?」
「そこの子供とモトラドのこそさ」
「聞き捨てならないな犬っころ。主人の後を付いて行くしか能のない下僕の癖に」
「主人に口答えする馬鹿なモトラドよりマシだ」
「エルメスと陸君も朝から元気ですね」
「うん、そうだね」
================
オチなし。
「キノの旅」にハマった頃に一発書きしたネタ。
最初はそうでもなかったんですけど、某所で素敵漫画を見つけて以来、シズキノも大好きです(笑)
でも私が書くとシズキノも恋愛要素が薄い妙な関係になってしまう…何故だ。
◆ 『フルメタル・パニック! つづくオン・マイ・オウン』より 注意
『燃えるワン・マン・フォース 』が出る前に書いたブツなんで、完全に妄想です。
「…それで。どうなのだね、あの女の様子は?」
「順調ですよ。待遇に不満もないようです。会いに行く度に元気に怒鳴っています」
「そんなことを聞いているのではないのだよ、レナード。『千鳥かなめ』などどうでもいい。私が聞いているのは『ささやかれた者』のことだ」
「それも順調です。研究チームの報告は受け取っているのでしょう?」
「ああ、勿論受け取ったとも。実に見事だった。あの女はもしかすると君にすら匹敵するかも知れないとまで思えるほどな。だが…」
「だが、何か?」
「彼女が与える知識の全てが、何一つ兵器や戦術に応用できないのはどういうことだ?」
「…さて…。彼女はそういう方面に向いていないだけかも知れませんよ?」
「しらばっくれるな。ミスリルに組していた頃、あの女の助言でいいようにされたことは一度や二度ではないのだぞ。アームスレイブに関する知識を持たないはずが無いのだ、だというのに何故だ? まだミスリルに操でも立てているのか!?」
「まぁ、つまりはそういうことなのでしょうね」
「レナード、貴様…! あの女のことは任せておけと言うから好きにさせてやってきたと言うのに! だから捉えた時点で無理にでも知識を引き出すべきだったのだ! …いや、今からでも遅くはない…!」
「…いえ、それこそ無駄だと思いますよ」
「何だと!?」
「これは彼女が意図的にやっていることじゃないんです。無意識にやっている以上、無理を強いてもやっぱり引き出せないでしょう。それでもさらに無理をしたら…きっと彼女は廃人になる。そうなるともう『ささやき』も引き出せない…」
「…ではどうしろというのだ? 他にどんな方法があると言うのだ、レナード・テスタロッサ!」
「待つ…それしかないでしょうね。彼女の『ささやき』が彼女の意思を凌駕するまで」
「やぁ、かなめ。ご機嫌はどうだい?」
「…あんたが来たから最悪」
「相変わらずつれないね、君は」
「大人しくしてやってるだけ感謝して欲しいものだわ。それより何の用よ? ついに他のお偉いさん達に嫌味を言われ始めたの?」
「…ついに、か。本当に勘がいいね、君は」
「いつかは言われるだろうって思っていただけよ。
…言っておくけど、本当に意図してやっているんじゃないのよ。あたしだって不思議なんだから。何なら『共振』とやらで確かめてみる?」
「遠慮しておくよ。残念ながら『共振』は言うほど便利な物でもないし、君と精神が交じり合っても困る。…ああ、いや、それも楽しいかな?」
「絶対にご免だわ! 誰がアンタなんかと!」
「いいじゃないか。好きな人と同じものになれるんだよ?」
「あたしはアンタを好きじゃないの。あたしが好きなのは…」
「…好きなのは?」
「…?」
あれ?
「好きなのは」、なんて。どうしてそんなこと。あたしは…
「…好きな人なんて、いないわよ」
そう、好きな人なんて、いないはず…。
これでいい。これで、誰も傷付かない。
あたしが『アマルガム』にいれば。あたしが『ウイスパード』の知識を教えていれば。もう誰も襲われない。
誰もあたしのせいで傷つかなくてすむ。
…ごめんね、みんな。
あたしのせいで、いっぱいいっぱい怪我したよね。死んじゃった人も、いるよね。
ごめんね。ごめんね。一人一人土下座して謝りたいけど、そんなことも出来なくて、ごめんね。
でももう大丈夫だから。もう怪我なんてしなくてすむから。
これでみんなを守れるから、安心してね。
あたしは大丈夫だから、心配なんかしないでね。
みんな、大好きだよ。
キョーコ、まだ入院してるのかな? 早く治ってね。
ミズキ、一成くんとどう? 上手くいっているといいな。
林水先輩、受験勉強はちゃんとしてますか? お蓮さんと仲良くして下さいね。
テッサ、今どうしてる? また海の中なのかな。
クルツくん、またメリッサさんに怒られてるの? セクハラも程ほどにしなよ。
それから、
…それから…?
それから、誰?
誰を言おうとしたの?
あたしは…
あたしは、誰かを忘れてる?
==============
すみません<即行謝る小心者
P255のかなめの、
――わすれるから
にやられてしまって。
つい妄想が…。
前後から考えると、おそらく宗介への恋情を、なのでしょうけど、もしかしたら、と思ったのですよ。
人間、あまりにも辛すぎる出来事があると、精神を守るための防護装置として、その記憶を封印してしまう、という話を聞いたことがあるんですよ。だからかなめもそういう風に、宗介を忘れてしまうのかな、なんて…。
まぁまずありえませんけどね!
次の展開がどうなるのかは想像もつきませんが、いくらなんでもこんな展開はないでしょう…つか、あったらまた泣く…。
だから次の巻が出るまでのフライング妄想です。ふふふふふ…。
…冗談はさておき。
どうかかなめと宗介の2人が一緒に笑い合える未来が来ますように。