小話帳

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 基本的に書きなぐったブツの収納場所。オチのない話も有り。
 Fate(原作が18禁)とエロっちぃ話はネタバレ機能で隠してます。

  六花の駆け行く先、雷光が待ち受けるもの。(政宗といつき)(ノットカップリング)
2011/05/07 ◆ 戦国BASARA
「第1の門、突破されました」


 部下からの報告に政宗は鷹揚に頷いてみせた。青々とした晴天でも未だ春は遠く肌寒いどころの気候ではない、だがその様に寒さに凍えるような素振りは全く見えなかった。それは着込んだ甲冑のお陰でもあるが、それ以上に高揚した精神の影響が大きい。


(来るか)


 待ち望んでいた相手、とは言えない。本陣を、政宗を目指して一路推し進む者は、本来なら政宗が戦うべき者ではない。武器を持ち、戦うべき者ではない。本来なら農具を持ち、田を耕す、政宗が守るべき者のはずだ。
 それが様々な要因の結果、今こうして政宗の下へと向かって来ている。「かみさま」から下されたと言う巨大な槌を手にして。


「Ham,」


 そろそろ第2の門が破られるか、と心中で呟くのと、その報告が上がってきたのはほぼ同時だった。吊り上がりそうになった頬をとっさに引き締める。寸前で間に合ったはずだが、しかし傍らに控える右目は見逃さなかった。


「政宗さま」


 具体的に言葉にはせずに諫める視線だけを寄越してくる。政宗も鼻を鳴らすだけで応えた。お目付け役のお小言はとっくに聞き飽きた。
 続けて第3の門突破の報を受けて、いよいよ政宗の心は高揚する。本陣の門が破られるその時が待ち遠しく、今か今かと胸躍らせる。

 本来なら守るべき者、年端もいかぬ小娘。だが、政宗は部下たちに手加減するようになどと命令しなかった。武器を取り手を血で染める覚悟を決めて立ち向かって来るならば、それは倒すべき敵だ。敵ならば容赦はしない。立場と事情によっては恩赦を与えることもある、しかしそれは討ち倒した後の話だ。武器を向けてくる以上は容赦などしない。本陣まで、自分まで到達出来なかったのなら、それはその程度の相手だったという、ただそれだけの話だ。

 しかし、あいつは来るだろう、と政宗は感じていた。自軍と相手の戦力を計った上での予測ではなく、漠然とした予感を感じていた。無傷ではないだろう。ぼろぼろの体だろう。それでも、ここまでたどり着くだろう。この本陣、この竜の眼前まで。

 高台の本陣からは向かってくる敵の姿を遠く眺めることが出来た。政宗が鍛え配備した伊達兵を次から次へとその槌で薙ぎ払っていく小さな体。雪を纏う北の小娘の癖に内に宿しているのは炎どころではない。それは娘自身を奮起させ、娘が向かう竜をも燃え上がらせる。


「…いいじゃねぇか。来いよ、いつき」
「…政宗さま。お戯れも程々に…」
「Ah? 小十郎、お前こそ的外れなお小言は程々にしておけよ? あいつ相手にJokeなんざ不可能だ」


 高台から見える範囲から敵の姿が消えた。見えない間に倒されたのでなければ、本陣に討ち入るまでもう僅かだ。次第に大きくなる喧噪と剣戟が先触れを告げる。


「あいつは本気で真っ正面から突っ込んでくることしか知らねぇ。なら、俺も本気で相対してやる以外に選択肢なんざ無いだろうが」


 地を揺るがすような轟音を響かせて、本陣を守る扉は破られた。
 進入者は一人。雪焼けした肌の小娘ただ一人。その身に北の大地の雪を纏い、「かみさま」の下した槌を手にし、凍土の業火を宿した瞳で、真っ正面から政宗を睨みあげる。


「伊達、」


 ニィ、と政宗は笑んだ。這々の体だった。全身が傷だらけ、打撲の跡だらけ。肩の鬱血は脱臼を無理に戻した跡かもしれない。或いはまだ外れたままなのかもしれない。
 それでも、ここまでたどり着いたのだ。止めどなく襲い来る伊達兵を打ち払い、強固な門を突破して、この竜と相対する場所まで。
 娘は爆発的な加速で駆け行く。振り上げられた槌が政宗を狙う。とっさに将を守るべく反応できたのは右目のみ、しかし竜は右目の介入を許さなかった。
 神速で抜き放たれた六本の刀は竜の爪となる。


「政宗ぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「Come on!! Let’s Party!!」


 「かみさま」の愛し子と奥州の竜の吠吼。
 それはまるで、冬空に劈く稲妻にも似て。


     ========

 伊達いつっぽいものにチャレンジしてみたけど失敗しましたという例だと思われ。
 喧嘩ップル大好きですハイ。これ↑は喧嘩を通り越してカップルじゃなくなってますが…。

 元は某姐御への押し付け品だったりする。流用失礼。
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  ???
 火を近づける。
 息を吸って風を通す。
 火が点く。
 煙が喉を通過する。
 肺を満たす。
 その味を確かめる。
 白い煙を吐き出す。
 舌にぴりりと刺激が残る。

 感想は、苦いと辛いと、舌が痛い。
 とても美味しいなんて思えなかったけど、慣れたらそれが欲しくなるんだろうか。
 彼とのキスのように。


   =============

 リハビリのつもりで書き始めたんですが、消化不良…。
 誰のつもりで書いたのかも不明(それってリハビリ…?)。

 カテゴリはタバコを吸うキャラが出てくる作品で設定しておきました。
 バサラならむねさまと幸村、りぼーんなら獄寺とツナ、銀魂なら土方か高杉と誰か。
 好きな人で脳内変換よろしく。
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  darling darling(政宗と幸村)
2009/07/10 ◆ 戦国BASARA
 政宗×女体化幸村です。
 えろくは無いですが、女体化苦手な方もいるでしょうから、隠しで。


 幸村は頬を押さえて飛び下がった。顔どころか全身が太陽よりも真っ赤で、あわあわと口を出る言葉は意味を成さない。
 余りにも予想通りすぎる反応、政宗は自然とこぼれる笑みを堪えきれずに口元を抑える。まるで揶揄されているような反応に一層幸村の羞恥は増した。

「はははは破廉恥でござる! めっめおとでもない者がこのような…!」
「Ah,ha? 夫婦ならいいんだな?」
「はっ!?」

 頬を押さえていない方の右手が掬い取られる。あまりに自然な動きだったので幸村の反応は遅れてしまった。
 とても鍛えられた、それでいて女性らしい柔らかさを持つ手が、政宗の手に添えられていた。女性にしては骨太、無骨とまで言われる幸村の手だが、それでもこのように政宗の手と並べると、明らかに女性の手と分かる。幸村の手は柔らかく、政宗の手は硬い。幸村の手は小さく、政宗の手は大きい。
 幸村は間違いなく今自分に触れているのは「男性の手」なのだと意識した。意識してしまったら、動けなくなった。
 政宗の顔が徐々に下りてきていると気付いていたのに、手の甲に口付けを落とされても。

「Will you marry me, my darling?」

 西洋の騎士が姫君に接するように、恭しく丁寧に落とされたキス。つい先ほど頬に口付けられたことも忘れた。今まで一度も見たことのない表情――まるで幸村に請うように、政宗は見上げている。
 政宗が口にした言葉は異国のもの、当然幸村には理解できない。意味は理解出来ないが、その手に口付けられたという事実、そして注がれる熱い視線に、自分は途轍もないことを言われたのではないか、と察せざるをえなかった。
 意味を問うことは怖ろしい、だがこのまま流せる訳もない。完全に混乱しきった頭はまともに動いてくれない。
 真っ赤と真っ青を繰り返す幸村の顔色。政宗の喉がくつりと鳴った。

「Ha, 通じねぇか。まあいい、正式に使者を立てて申し込んでやるよ。この俺からのproposalだ、まさか断るなんて野暮は言わねぇな?」
「ぷ、ぷろ…?」

 ぷろぽおずとやらが一体何のことなのか、やはり幸村は解からない。
 正式な使者と言うからには何らかの申し出がされたのだろう。実際に使者とやらに伝えてもらわねば何のことなのかさっぱり解からないが、幸村は自分が断ることは無いだろう、とほぼ確信していた。

 この伊達政宗が、自分を見て触れて、幸村の体も心も熱くする。その仕草、視線は破廉恥で恥ずかしくて堪らないのに、同時にどこか締め付けられるような多幸感を与えられているのも否定出来ない。
 その政宗からこんなに切なく請われてしまっては、まさか自分が拒めるとは思えないのだ。


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 政宗×女体化幸村は笹さんに開眼させて貰いました。
「幸村が女なら、政宗さまは物凄く気障に激しく幸村を口説いてくれるよ!」
 …この一言で落ちました。ええ落ちましたとも!

 という訳で1つ書いてみましたよっと。

 一応補足。
 「darling」って日本では恋人(女)が恋人(男)に対して使う言葉ですが(「愛してるよマイハニー」「愛してるわマイダーリン」って感じで)、正しくは性別関係なしに恋人へ呼びかける言葉です。
 ので、政宗さま(男)が幸村(女)に呼びかけてもおかしくはないのですよ。
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  星の海(幸村と政宗)
2009/07/07 ◆ 戦国BASARA
 寝入る前にふと空を見上げた。
 空全体に薄雲が掛かっていて星が見えない。行燈越しに見る蝋燭の火のような薄ぼんやりとした黄色い光が辛うじて月の居場所を教えている。

 今夜は七夕であると言うのに。

 天の川どころか星1つ見えない。元より風情を解する情緒など持たぬ無骨な身ではあるが、ふと見上げた空に星や月が見えると、何とは無しに嬉しい気分になるものだ。
 でるから、今夜のような空だと、酷く物悲しい。

 あの方ならばこのような空でも一首歌うことが出来るだろうな。

 自分とは違って花鳥風月の何たるかを知り、更に己の感性で磨きをかけ、より美しいものへと変貌させるあの方ならば。
 あの方自身が冴え渡る三日月の麗人。美しいものが美しいものの手に掛かって、より美しいものにならぬはずがない。


 しばらくぼうっと眺めていたら雲の切れ間を見つけた。
 とても小さなその隙間の向こうには満天の星。
 ともすれば吸い込まれてしまいそうな。


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 七夕でさなだてで何か書こうと思ったんですが、オチがつかなかった。

 とりあえず戦国時代の暦は太陰暦なので、幸村が七夕を感じるのは今日より約一ヵ月後が正しいですよ、と注釈だけしておきます。
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  BASARAアニメ 2話
2009/04/16 ◆ 戦国BASARA
 木曜日にネタバレも何もないんですが、一応隠します。


 北条のじいちゃんとか今川とか、サブキャラは徹底的にサブキャラに抑えとくんですね。サブキャラっつーか、原作ファンへのサービス程度ってレベル。
 まぁそれがいいんじゃないかなー。元々キャラが多いわけだし。今後元就さまや元親のアニキも出てくるなら尺の都合もあるだろうしさ。

 謙信さま対お館さま、むねさま対幸村、を同時進行してストーリーの要にしてる感じですね。
 つーか、謙信さま対お館さま、信長さま対むねさま&幸村、かな? むねさまと幸村は敵対しつつも協力プレイって感じで。1の漫画に近い展開になるのかなー。


 コタ対お館さまは新鮮でした。いや、予告を見た時点で、あの状況から佐助が助けに入ってコタ対佐助になると思ったから。最後の最後まで佐助が助けに入ると思ってたから。
 しっかし、お館さまの拳はすごいなぁ…(笑) コタをあそこまでぶちぬくかオイ。

 かすがの「武田信玄は邪魔だ、謙信さまの為に消してしまいたい。ああでも謙信さまは信玄との正々堂々の勝負を望んでいらっしゃる…ああでも…!」という葛藤がよく演出されていました。


 こじゅさんがイエスマン状態なのが気に食わない…。
 もっとネチネチネチネチと小言言ってくれないとこじゅさんじゃないよ!(注・偏見)
 つか、見張っとれと言われたんだからしっかり今川を見張っとれよこじゅさん。影武者用意なんてさせんなよ。

 今回のむねさま対幸村では六爪は抜かれず。
 あ、伊達軍にリーゼントいましたね(笑)


 濃姫さま色っぺー! すげー色っぺー!
 しかし幸村の「はははは破廉恥な!」発言はなし。…ちっ。


 信長さまと対峙した時のむねさまと幸村の差が、また2人の差なのかな、と。
 信長さまの底知れない瘴気を感じ取って射竦められたのが、むねさま。
 信長さまの瘴気が底知れなさすぎて感じ取れなかったのが、幸村。


 さてこの状況からいきなり来週慶次ですか。随分と話が飛んでませんかオイ。
◆ 笹本(2009/06/09 00:11)
ちょちょいとコメント実験です。
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