小話帳

HOME Image TitleList Calendar

 基本的に書きなぐったブツの収納場所。オチのない話も有り。
 Fate(原作が18禁)とエロっちぃ話はネタバレ機能で隠してます。

  とある雨の日の放課後。(ツナと獄寺と山本)
2010/04/24 ◆ リボーン
「ツナおっせーなー」
「うるせぇ、さっきから何回同じ事言ってやがる」
「や、だっておせーじゃん。獄寺だって貧乏ゆすりしまくってるだろー?」
「…してねぇよ」
「してるって。あれって結構揺れるんだぜ」
「…うるせ」

「…鬱陶しい雨だな。オイ野球馬鹿、お前雨の守護者なんだから雨止ませろ」
「いや、無理だし。それ言うなら獄寺は台風を止められるのかよ?」
「出来る訳ねぇだろ、馬鹿じゃねぇのお前」
「最初に言い出したのお前だし。晴れさせたいなら晴の守護者じゃね? 笹川の兄さんでも呼んでくるか」
「ぜってー呼ぶな。暑っ苦しい」
「やーでもさ、笹川の兄さんならマジで晴れさせられるんじゃねーかな。いかにも晴れ男って感じじゃん」

「喉渇いたなー」
「お前ひとっ走りしてコーヒー買って来い」
「何でオレ」
「喉渇いてんだろ。オレは十代目をお待ちしてるんだから、お前行って来いよ」
「オレもツナを待ってるんだっつーの。公平に行こうぜ、公平に。じゃんけんで負けた方がパシリな」
「…ふん」
「じゃーんけーん」

「ごめん、お待たせ! ってあれ、山本だけ?」
「獄寺は今ジュース買いに行ってる。ダッシュで行ってたからすぐ帰って来るって」
「ふーん? …あ、噂をしたら」
「ほらよ買って来てやったぞ野球馬鹿! あっ10代目! お帰りなさいませ!」
「うん、待たせてごめん。それじゃ帰ろっか」
「はい!」
「うっし」


    ==============

 とある中学生の日常会話。

  デンジャラス・ビューティー その4(ツナと獄寺)
2010/04/23 ◆ リボーン
 獄寺女体化シリーズ、その4。
 その1〜3より前、高校時代の話です。今回下品なんでその辺注意。


 男子高校生の馬鹿話。

「市井は確実だよな…唐沢と付き合って2年だろ?」
「やーでもどうかな? 唐沢ってちょっと潔癖なとこあるじゃん」
「潔癖な女ほど扉を開いたらスゴイんだよ…」
「知ったように言うな童貞」
「ぐはっ。き、きさま言ってはならんことを…!」
「あとオレが知ってるのはー、田ノ岡と堀と、えーと水野谷?」
「なにぃ水野谷だと!? あいつ独り身だろ!?」
「うんにゃ、年上のおねーさまと付き合ってる」
「何だとあの野郎、羨まけしからん!」
「どっちだよ」

「…何を熱弁してんの?」
「お、ツナお帰り。風呂もう空いてるか?」
「オレで最後っぽかった。で、何の話?」
「そりゃお前、修学旅行の夜っつーたら決まってんだろ?」
「…猥談か…」
「チッチッチ、もっと情緒的にコイバナと言ってくれたまへ」
「情緒的っつーかバカっっぽい」
「うん、バカっぽい」
「バカっぽいな」
「バカバカ言うなー!」
『だってバカじゃん』
「ハモるなぁー!」

「さてそう言うわけで、ツナ君も白状してもらおうか」
「え、何を」
「いやーんツナくんったらしらばっくれちゃって〜」
「きゃーやだー、皆まで言わせないでー」
「キモいから止めろって。だから何をだよ」
『女性経験の有無』
「…」
「あっツナ逃げるな!」
「捕まえろー! フォーメーションAだ!」
「待てコルァ! お前が本命なんだぞ逃がすかぁ!」
「何だよフォーメーションAって! 本命!? 何それイジメ!?」
「イジメではありません、愛情表現です!」
「キモい! はなせー!」

「さてそう言う訳です。ツナ君、観念して白状しなさい」
「…」
「黙秘権は認めません」
「…」
「ツーナーくーん?」
「…」
「ツナ、諦めろ。ってか、無しってこたぁねぇんだろ? 獄寺とは中学の時から夫婦してるんだし?」
「…」
「いや待て、意外とまだかも。頑張ってみたけど失敗した、とか」
「あーあるある。初めての失敗がトラウマになってインポになっちまったとかなー」
「誰がだっ!? ンな訳あるかバカっ!」
「あ、怒った。そして否定した」
「てことはやっぱり経験済みかこの野郎!」
「…(しまった…)」

「ツナが経験済みと判明した以上、オレたちのすることはただ1つ…!」
「な、何する気だよ」
「さぁツナよ、覚悟するがいい。貴様のバックバージンを奪ってやるぞ!」
「何でだぁー!? 何でそうなるー!?」
「ふふふ…これは壮大な計画の始まりなのだ」
「そう…ツナをホモに目覚めさせることによって、獄寺に嫌われるという計画の!」
「きゃーいやー、ツナくんがホモだったなんてー。いやーきらーい、とか言われろ、この幸せ者め!」
「…いや、獄寺はンなこと言わねぇだろ」
「何だと! キサマ計画に水を差す気か!」
「だってさー、獄寺ってツナがホモでも気にしないんじゃねーの? ツナがホモになってもさ、女の1番が私ならそれでいいです!とか言いそう」
「あ、言いそう」
「うん。すげー言いそう」
「ぐはぁっ! くっ、この完璧な計画が失敗だとぅ!?」
「何処が完璧だよ!? 穴だらけだろ!(獄寺くんならホントに言いそう…つか、2番目でも3番目でもいいとか言うよな…。愛人とか宣言するのやめてくれ…)」

「くっ…こうなったら最後の手段だ…!」
「ああ…これだけはしたくなかったがな…!」
「…今度は何だよ…(何かもう疲れた…)」
「ツナにオレたちのバックバージンを奪ってもらい、獄寺と穴兄弟になる!」
「何でだぁーーーーーーー!!! お前らふざけるのもいい加減にしろーーーー!!!」
「いやんツナくん、アタシたちふざけてなんかないわヨ?」
「ふふ…獄寺と穴兄弟になった暁には、オレ、獄寺にロザリオを渡すんだ…」
「待て。獄寺と姉妹(スール)になるのはオレだ。そこは譲れん」
「あ、んじゃオレは獄寺からロザリオを貰う方ね」
「そう言うわけだツナ。さぁ誰がいい? より取り見取りだぜひゃっふー!」
「ツナー、じゅってーむ」
「やめろキモい近寄るなぁーーーー!!! 絶対にいやだぁぁぁぁぁああああ!!!」


 果たして沢田綱吉の貞操の行方や如何に。


     =================

 無駄に長い馬鹿話ですみませんでした。
 自分は書いてて物凄く楽しかったです。

 ロザリオ云々は「マリみて」のネタです。知らない方はすみません。
 つか男子高校生は「マリみて」を知ってるんだろうか…

  デンジャラス・ビューティー その3(ツナと獄寺)
2010/04/22 ◆ リボーン
 女体化獄寺でツナ獄っぽく。
 「デンジャラス・ビューティー」と直接話は繋がってないですが、あまり難しいことは考えずに獄寺女体化シリーズってことでお願いします。


 ぴちゃん、とやけに可愛らしい音を立てて、ボトルの中身は全てグラスに注ぎ込まれた。何かの会合で何処かのファミリーから貰った年代物だったのだが、綱吉はその稀少なラベルに全く価値を見出さなかった。綱吉がこのボトルを手に取ったのは、とにかく酔えれば何でもいい。何となく手に取ったのがそれだっただけ。酒好きに怒られることこの上ない理由だったのだ。

「…っかー!」
「風呂上りに缶ビールで一杯やるおっさんみたいだぞ、ツナ。そうじゃなきゃ仕事帰りにビヤホールで乾杯してるおっさんとか」
「どっちにしろおっさんじゃん。いいよもう、気分は大して変わんないし」

 適当に飲み干されたグラスにもう一杯、と別のボトルに手を伸ばしたが、綱吉が新しいボトルを掴むより早く、グラスには新しい液体が注ぎ込まれた。無色透明無味無臭、間違うことなきミネラルウォーターが。

「…山本ー? オレ、今日は飲みたい気分なんだけどー」
「明日の予定はなんだったっけなー、ボス? それくらいにしとけよ、酒は飲んでも飲まれるな」
「うー…」

 ハイペースで飲んでいたのは事実なので否定しづらい。仕方ないとばかりに今度はミネラルウォーターを一気飲みした。
 綱吉が自分で思っていた以上に酔いは回っていたらしい。酒以外のものが入ったことがきっかけのように、ガンガンと何かに殴られ続けられるような錯覚。山本に言われるまでもない、とっくに飲まれてしまっていたのだ。

「で、今日の自棄酒の理由は?」
「あー…、…ちょっと用があってさー、獄寺くんの実家に行ったんだけど…」
「そういやそんなこと言ってたなー」
「んー」

 獄寺の実家はマフィアではないが、手広く事業を展開している。イタリアで事業経営を大きくすると否応なくマフィアと関わらざるを得ない。このところボンゴレ傘下の企業との提携の話が出ており、その件で綱吉が赴くことになった。
 会社ではなく自宅に招かれた辺り、向こうは「ボンゴレのボスとは自宅に招待する程親しい関係」と周囲にアピールするつもりなのかもしれない。今すぐではなくとも、いつでも吹聴出来るようある程度の関係を作るつもりはある、ということだ。
 招待されたのはボスの綱吉と、その両脇を固める2人。しかし綱吉は他の2人に適当な用を押し付けて、1人だけで赴いた。

「…愛人ってさー、何で男の方じゃなくて女の方が責められるんだろ」
「はぁ?」
「おかしくない? 愛人を作るのもガキ作るのも男の方なのにさ、男は不倫は男の甲斐性だーなんて偉そうにしてて、女と子供は愛人だー愛人の子だーって馬鹿にされるなんて」

 いきなり飛んだ話に目を丸くする山本を放置して、綱吉はソファの背にもたれかかった。仰ぎ見た天井にはシンプルなデザインの照明。高級品ばっかりだと落ち着かないと嘆いた綱吉の為に、高価なアンティークのシャンデリアの代わりに獄寺が用意してくれた物だ。

「結婚してるくせに他に女作るような腐った性根を責められるべきだよね、絶対。女の方は…まぁ、ちょっとは同罪かもしんないけど、…子供には何の責任もないのにさ」
「…何か言われたのか?」
「…直接言われた訳じゃないけどね」

 適当な理由を付けてわざと邸内で迷ったフリをして、重役と思しきおっさん共の会話を立ち聞きした。

『…何だ、ボンゴレのボス1人で来たのか…』
『…意外と子供…上手く言いくるめれば…』
『…あのボンゴレのボス、だぞ? そんな簡単に…』
『…出来るんじゃないか? あの妾の子を愛人にしてるような…』
『…ったく、母が母なら子も子だ…だがお陰で当家とのパイプに…』

 腹の底を読むことに長けていない綱吉にも即座に理解できるくらいの、実に分かり易く、馬鹿馬鹿しいおっさん共だった。
 当主である獄寺の父はおっさん共の会話を知ってか知らずか、終始友好的な態度を崩さなかった。彼が腹の底ではどのように考えているのかはまだ判断つかないが、このおっさん共と変わらないのなら…、と、綱吉は提携の是非は再考慮が必要、と断する。
 胸糞が悪くなった、それも理由のひとつだが。これから提携しようとする企業のボスが来ている時に、容易く立ち聞きされる状況で本音だだ漏れの陰口を叩くような人間が重役では信用しきれない。

「…ったく。だーれが誰の愛人だってーの。恋人だっつーのこーいーびーとー」
「だな。ツナは結婚してないんだし」
「そうだよ、何で奥さんがいないのに愛人扱いになってるわけ!? 変だろおかしいだろ間違ってるって!」
「でもツナの愛人って、獄寺も自分で言ってるよな?」
「う」

 オレは十代目の愛人ですから!と元気に力いっぱい叫ぶ恋人の姿が綱吉の脳裏に鮮やかに映し出される。思わず呻いた綱吉に、山本はもう一杯水を差し出した。さっきからガンガン続いてる頭痛は全然治まる気配がない。水を飲んだからと言って治るないが、綱吉はありがたく頂戴した。

「つかさ、愛人だの何だのってが問題じゃなくて。要するに獄寺が悪く言われるのがイヤなんだろ、ツナは」
「…恋人を悪く言われて黙ってる方が男じゃないだろ」
「ま、そりゃそーだ」

 ひょい、と肩を竦める山本に、山本も早く恋人作りなよ、と憎まれ口を1つ。その内にな、と軽くかわされて、その夜の酒盛りは終了した。


    =======================

 ツナたちは20代前後ってとこですかね。
 あ、お酒飲んでるから20歳過ぎってことにしておこう。

  unfair Game(ツナと獄寺)
2010/04/21 ◆ リボーン
 若干エロっちいので隠します。

「…あの…、10代目。何ですか、これ」
「ん。見て分かんない?」
「すみません、分かりません…」
「見ての通りだけど。繋縛プレイ?」

 キングサイズのベッドは成人男子が2人乗っかっても充分すぎるほどに余裕がある。今このベッドに横たわっているのはこの部屋の主ではなく主の従者。仰向けに寝かされ、両手を頭の上で縛られ、自分を見下ろすオレンジの瞳に晒されていた。
 主は困惑する己の従者の姿を、それはそれは愉しく見つめていた。

「繋縛ってあの…10代目…?」
「うん。君ってオレが何しても抵抗しないからさ。ちょっと抵抗された気分だけでも味わってみようかなって」

 主はその右手を従者の顔に伸ばす。整った端整な顔立ち。主はその顔がどんな堅物でも欲情させられるだろう程に淫乱に燃え上がる様を知っている。自分がその顔を乱れ、悶え、滅茶苦茶に出来ることを知っている。その時を思い出すだけでも丹田の下が熱くなる。オレもまだまだガキだなぁ、と思い知らされる。
 従者は状況とその理由を理解すると、途端に困惑の色が無くなった。そして抵抗の色は欠片も出さない。ただ主が望むのでしたらどうぞと従順に己の体を差し出している。主は途端に詰まらなくなった。

「…折角だから目隠しもしようか」
「は? えっ、ちょっ…!」

 余分に用意しておいたタオルで視界も塞いでしまう。従者は両腕の自由を奪われ、視界も奪われた。タオル越しに瞼にキスを落とすと、従者は大きく体を震わせた。

「…ッ」
「…いつもより反応いい? 1つの五感が失われると他の感覚が鋭くなるって言うけど、そう言うことかな?」
「知りません、五感を失った経験がありませんから…!」
「そう? じゃ、初体験だ」

 両腕を拘束されることは平気でも視界を塞がれることは嫌らしい。
 望み通りの結果に主はほくそ笑む。従者は当然その笑みを見ることは出来ないが、その気配だけは感じたらしい。やや大きめの声で、10代目!と叫んでみせた。

「しっ。あんまり大きな声出さないでよ。さすがにこの状況を誰かに見られるのはヤだからさ」
「…っ」

 オレがそーゆー性癖の変態だって噂になっちゃってもいい? 暗にそう含ませて、主は無言で従者を脅す。従者は仕方なく脅しに屈する。
 肌蹴させた胸元に手を差し入れる。耳たぶに舌を這わせる。ぞわりと背筋に走る「何か」。従者は主の寵愛を受け入れながらも言い知れぬ不安に襲われていた。

 今己を蹂躙しようとしているのは誰よりも敬愛し忠誠申し上げ全てを差し出している主。その主がしようとしている行為は、今まで何回も何十回も求め合い貪りあった行為。何一つ恐れることなどないというのに。
 感覚が1つ失われることはこんなに頼りないことだったのか。
 触覚がいつもより過敏に指の感触を伝えてくる。聴覚がいつもより過敏に舌使いの音を拾ってくる。嗅覚はいつもより過敏に主の匂いを伝えてくる。味覚はいつもより過敏に主の舌の味を伝えてくる。
 主の言う通りだ。視覚が失われている代わりに、他の感覚が過敏に反応している。いつもよりも過敏に…
 …いつもよりももっとずっと、淫らに感じている。

「…ァ…あ…!」
「…君、今、物凄くイイ顔してるよ」

 従者はひときわ高く啼いた。
 オレの表情なんてどうでもいい、それより10代目の顔が見たい、と思う。
 それはそれは淫猥で、それはそれは男前で、獄寺を魅了してやまない表情をしているに違いないのだから。



   =============

 仕事中に使っていたメモの端に『目隠し拘束プレイでゴー』と書いてました。仕事中に何考えてんの自分。
 それにしてもちょっとこのツナ、イイ性格過ぎないか。

  君は僕の輝ける星(獄寺とツナ)
2010/04/20 ◆ リボーン
 半分だけ開けた窓から春の風が入ってきていた。
 書類が数枚、風に浚われて床に落ちている。獄寺はそれらを拾ってペーパーウェイトで抑えた。
 子供の拳大の白い半球にオレンジの筋が一本だけ入っている。このペーパーウェイトは先日獄寺が綱吉に頼まれて買ってきた物だった。綱吉に合わせるには安直な色合いかとも思ったが、1番似合う色合いだと思っているし、品もいい物だったのでこれに決めた。

 机の上の書類は半分をペーパーウェイトが、半分を突っ伏した綱吉が抑えている。お茶淹れて来ます、と退出して戻ってくるまでの5分間、たったそれだけの時間で眠ってしまっていた。

「…」

 差し込む陽光に色素の薄い髪が反射して、きらきらと光っているようだった。
 綱吉の色素は日本人にしてはとても薄い。イタリア人だった初代の血を引いているのだから純粋な日本人ではないにしても、初代から綱吉までに交わった血は日本人しかいない筈で、パーセンテージで言えばイタリアの血は一桁まで薄まっている筈だ。先祖からの遺伝と言うよりも初代からの隔世遺伝と言うべきかもしれない。
 その、きらきらした姿を、獄寺は眩しそうに目を細めて眺めた。

 起こすべきかこのまま寝かせておくべきか悩む。休憩しているのだから仮眠しても問題ない。仮眠するならせめてソファに寝転んだ方がいい。せっかく眠っているのを起こすのは忍びない。お茶が冷める。淹れなおせばいい。せめて何か上に掛けて差し上げるべきだ。掛けられるような物が近くに無い。隣りの寝室まで毛布を取りに行けばいい。
 …少しでも目を離すのが惜しい。

「…十代目」

 ん、と声にもなっていない息の音が漏れた。まだ綱吉は夢の中でまどろんでいる。獄寺は肩を揺さぶろうと手を伸ばした。
 きらきらした光が弱くなった。太陽が雲に隠れてしまったからだった。獄寺は伸ばしかけた手を止めた。もう一度十代目、と呼びかけると、今度はうん、と発音された声が返ってきた。

「…ん、…寝てた?」
「はい。お眠りになられるなら、せめてソファで横になって下さい」
「や、寝るつもりは無かったんだけど…」

 まだ眠そうに目を擦る綱吉に、程よく冷めたお茶を差し出した。
 いつの間にか太陽は雲から脱出していて、またきらきらととても綺麗に光っていた。


    =================

 星の方が語呂が良かったので星にしましたけど、星っつーか、太陽っぽいですね。