◆ 『フルメタル・パニック! つづくオン・マイ・オウン』より 注意
『燃えるワン・マン・フォース 』が出る前に書いたブツなんで、完全に妄想です。
「…それで。どうなのだね、あの女の様子は?」
「順調ですよ。待遇に不満もないようです。会いに行く度に元気に怒鳴っています」
「そんなことを聞いているのではないのだよ、レナード。『千鳥かなめ』などどうでもいい。私が聞いているのは『ささやかれた者』のことだ」
「それも順調です。研究チームの報告は受け取っているのでしょう?」
「ああ、勿論受け取ったとも。実に見事だった。あの女はもしかすると君にすら匹敵するかも知れないとまで思えるほどな。だが…」
「だが、何か?」
「彼女が与える知識の全てが、何一つ兵器や戦術に応用できないのはどういうことだ?」
「…さて…。彼女はそういう方面に向いていないだけかも知れませんよ?」
「しらばっくれるな。ミスリルに組していた頃、あの女の助言でいいようにされたことは一度や二度ではないのだぞ。アームスレイブに関する知識を持たないはずが無いのだ、だというのに何故だ? まだミスリルに操でも立てているのか!?」
「まぁ、つまりはそういうことなのでしょうね」
「レナード、貴様…! あの女のことは任せておけと言うから好きにさせてやってきたと言うのに! だから捉えた時点で無理にでも知識を引き出すべきだったのだ! …いや、今からでも遅くはない…!」
「…いえ、それこそ無駄だと思いますよ」
「何だと!?」
「これは彼女が意図的にやっていることじゃないんです。無意識にやっている以上、無理を強いてもやっぱり引き出せないでしょう。それでもさらに無理をしたら…きっと彼女は廃人になる。そうなるともう『ささやき』も引き出せない…」
「…ではどうしろというのだ? 他にどんな方法があると言うのだ、レナード・テスタロッサ!」
「待つ…それしかないでしょうね。彼女の『ささやき』が彼女の意思を凌駕するまで」
「やぁ、かなめ。ご機嫌はどうだい?」
「…あんたが来たから最悪」
「相変わらずつれないね、君は」
「大人しくしてやってるだけ感謝して欲しいものだわ。それより何の用よ? ついに他のお偉いさん達に嫌味を言われ始めたの?」
「…ついに、か。本当に勘がいいね、君は」
「いつかは言われるだろうって思っていただけよ。
…言っておくけど、本当に意図してやっているんじゃないのよ。あたしだって不思議なんだから。何なら『共振』とやらで確かめてみる?」
「遠慮しておくよ。残念ながら『共振』は言うほど便利な物でもないし、君と精神が交じり合っても困る。…ああ、いや、それも楽しいかな?」
「絶対にご免だわ! 誰がアンタなんかと!」
「いいじゃないか。好きな人と同じものになれるんだよ?」
「あたしはアンタを好きじゃないの。あたしが好きなのは…」
「…好きなのは?」
「…?」
あれ?
「好きなのは」、なんて。どうしてそんなこと。あたしは…
「…好きな人なんて、いないわよ」
そう、好きな人なんて、いないはず…。
これでいい。これで、誰も傷付かない。
あたしが『アマルガム』にいれば。あたしが『ウイスパード』の知識を教えていれば。もう誰も襲われない。
誰もあたしのせいで傷つかなくてすむ。
…ごめんね、みんな。
あたしのせいで、いっぱいいっぱい怪我したよね。死んじゃった人も、いるよね。
ごめんね。ごめんね。一人一人土下座して謝りたいけど、そんなことも出来なくて、ごめんね。
でももう大丈夫だから。もう怪我なんてしなくてすむから。
これでみんなを守れるから、安心してね。
あたしは大丈夫だから、心配なんかしないでね。
みんな、大好きだよ。
キョーコ、まだ入院してるのかな? 早く治ってね。
ミズキ、一成くんとどう? 上手くいっているといいな。
林水先輩、受験勉強はちゃんとしてますか? お蓮さんと仲良くして下さいね。
テッサ、今どうしてる? また海の中なのかな。
クルツくん、またメリッサさんに怒られてるの? セクハラも程ほどにしなよ。
それから、
…それから…?
それから、誰?
誰を言おうとしたの?
あたしは…
あたしは、誰かを忘れてる?
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すみません<即行謝る小心者
P255のかなめの、
――わすれるから
にやられてしまって。
つい妄想が…。
前後から考えると、おそらく宗介への恋情を、なのでしょうけど、もしかしたら、と思ったのですよ。
人間、あまりにも辛すぎる出来事があると、精神を守るための防護装置として、その記憶を封印してしまう、という話を聞いたことがあるんですよ。だからかなめもそういう風に、宗介を忘れてしまうのかな、なんて…。
まぁまずありえませんけどね!
次の展開がどうなるのかは想像もつきませんが、いくらなんでもこんな展開はないでしょう…つか、あったらまた泣く…。
だから次の巻が出るまでのフライング妄想です。ふふふふふ…。
…冗談はさておき。
どうかかなめと宗介の2人が一緒に笑い合える未来が来ますように。
全部最初からやり直せたら。
「はい、ミリィ。かなり遅れてるけど、これ、クリスマスプレゼントだって」
「…? クリスマスって…キラはもうカードをくれたでしょ?」
「僕からじゃなくてさ、ディアッカさんから」
「…ディア、ッカ?」
「ちょっと前にプラントに行って来てさ。その時に会ってね」
「…そう、なの。ディアッカが…」
両手の平で包み込める小箱。その中身は何なのだろうか、想像もつかない。
見てみたい、そう思う気持ちもある。でも開ける気持ちにはなれない。
この包みを受け取っていいかすらも分らない――
「…あのさ。せめて受け取るだけ受け取ってあげてよ。いつもと変わらないような顔してたけど、ミリィの名前を出した時、凄く辛そうに言ってたよ?」
「…」
「本当はそれ、僕からってことにして渡してくれって言われたんだ。その方が受け取りやすいだろうって。けどちゃんと言った方がいいと思ったから」
「…うん。ありがとう、キラ。ごめんね…」
「別にやり直せって言ってるわけじゃないよ? ミリィが本当にもう会いたくないって言うんなら無理は言わないし――」
「…やり直すって言うのも変よね。別にディアッカとは私付き合ってた訳じゃないんだから…」
「あ、うん。まぁ、そうなんだけど。言葉のアヤって言うかさ」
くすり、とミリィは笑う。
自分達は恵まれているのかもしれない。
2人とも生きている。会おうと思えばいつでも会える。あの過酷な戦争の中、2人とも生き延びることが出来たのだから。
やり直すことはおろか、話し合うことも会うことも――一目見ることすら叶わない、キラ達よりも遥かに。
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キラフレも絡んでますな。
「ねがい」の次くらいに来そうなエピソードですね。
基本的に長編とかシリーズ物とかに分類していない限り、各話を繋げようとはしてないんですが…ディアミリは何故かどれもこれも繋がっているようになってしまう…。単体で読んでも意味分らないでしょう、これ。
これを書いた時はとにかく
「全部最初からやり直せたら」
というフレーズが頭を回っていた記憶があります。
この場合最初と言うのはいつなんでしょう。出会いから? 別の出会い方をしたかったとか? でもあの出会い方じゃなかったらあの2人ってお互いを個人として認識しあわなかったでしょう。トールが生きてたら確実にディアッカはアウトオブ眼中だったでしょうし。
注・かなり下品(と言うか下世話と言うか…)です。苦手な人は絶対に読んじゃ駄目。
男の子が集まった会話なんて所詮こんな物です。
「ありゃ、じゃもしかしてアスランって童貞?」
「ディアッカ!! お前何を言い出すんだ!?」
「あ、そうなんだ。へぇ」
「うるさいっ、キラ! お前だって人のこと言えるのか!?」
「言えるよ? だってほら、僕フレイと恋人同士だったしさ」
「へー、そーだったんだ?」
「ええ、そうなんです」
「じゃあ童貞なのアスランだけじゃん。頑張れよチェリーボーイ」
「カガリは手強いと思うけど頑張ってね」
「お前ら…! あのなぁ…! あまり馬鹿なことばっかり言っていたら、ディアッカの女性遍歴をハウ君にばらすぞ!?」
「遍歴って、そんなに凄いの?」
「アカデミーにいた頃の俺が知ってるだけで、両手の指で足りないね」
「うわ…ディアッカさんタラシだー」
「べぇっつにいいけどー? そりゃ遊んでたのは事実だけどさ、二股かけてた訳じゃないし。今はミリィ一筋だしー?」
「…!」
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「女の子の会話」の対になるようにと考えたブツ。
…見も蓋もない…。
偶然の出会いだった。偶然の再会だった。
だけどその偶然が積み重なって、誰よりも近い存在になっていた。
誰よりも特別に見るようになってしまっていた。
「どうしてなんだろうな」
「何がだ?」
「キラと私。姉弟、なんだろ? どうしてなのかなー、って」
「どうして、と言われてもな…。やっぱりそれなりの事情があったんだろう。文字通り生き別れになるってことは」
「うん。それも片方は一般家庭、片方は国家元首だもんな。何かあったに決まってるけど…やっぱり、どうしてキラと私なんだろ。他の奴等でもよかったじゃないか。キラとお前とか」
「…キラと俺は無理があるだろう」
「そうか? そっくりじゃないか、お前ら。人には偉そうに言っておきながら自分は平気で無茶する所とか」
「…。キラと俺が似ていると言うなら、それは育った環境が一緒だったからだ」
「ふぅん。そんなものか。
でも…やっぱり、他の奴の方が良かったな」
「…嫌なのか? キラと…」
「うん。…いや、そうじゃなくて。嫌ってわけじゃないんだ。そうじゃないけど…」
「受け入れるには抵抗がある、か。それも仕方ないさ。何も聞いてなかったところにいきなり、だったんから」
「まだ赤の他人の方に兄弟だって名乗られた方が楽だったかも…」
「…そんなものか?」
「そんなものだよ。他の奴はどうか知らないけど、私は…私は、キラは友達、だから…」
「…そうか。まぁ、焦るな。そんなに急に受け入れなくても構わないさ。そうだろう?」
「…ん。でも、駄目だよ、やっぱり。早く慣れないと」
「駄目じゃない。急がなくてもいいんだ。キラはキラで、カガリはカガリだ。姉弟だって言っても何も変わらない、そうだろう?」
「…う、ん」
アスランはそう言ってくれるけど、キラもこれまで通りだけど。でも、私はこれまで通りにしちゃいけない。
早く慣れないと。早く気持ちを切り替えないと。
姉弟、だから。
血の繋がった姉弟…なんだから。
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こんなに双子ネタを書きたくなってるのは某日記で双子祭りが展開されてるからだー。私のせいじゃないんだー、あの方が煽るからー。(言い掛かりです)
オーブ崩壊の時点でキラのことを好きになりかけていたけど姉弟だって分かってしまったから、気持ちを切り替えないと、と人知れず悩むカガリとか好きです。
逆バージョンも(キラ→カガリ)も面白そうだけど、うちのキラは最後までフレイが好きだから無理だ。欲を言うなら今(デス種)でもまだフレイが好きでいて欲しい。ラクスとラブるのはやっぱりまだ抵抗がある。
ちなみに上記では勿論アスランはカガリがキラをそういう目で見ていた、とは気付いていません。
最初の三行ポエム(?)だけ見ればカガリ→アスランでもいけますね(笑)
偶然の出会いだった。偶然の再会だった。
その偶然が積み重なった奇跡のことを、人は運命と呼ぶのだろう。
プルルルルッ。
ピッ。
「はいはい、出たよ。おはよう」
『ああ、キラ。朝早くにすまない』
「ううん、起きてたし。って言うか起こされたんだけど」
『…やっぱりそこにいるのか?』
「うん。5時過ぎに窓から入ってきて叩き起こして散歩に付き合わせた挙句、僕のベッドで二度寝してる」
『…。分かった。すぐに迎えに行く』
「あ、余裕あるなら1時間くらい後にして欲しいんだけど、いいかな?」
『1時間? それくらいなら構わないが、何故?』
「今から起こして朝ごはん食べるから」
『…まだ食べてなかったのか』
「だから、叩き起こされてすぐに散歩行ったんだよ。まだ母さんも誰も起きてなかったし」
『…』
「あ、今それくらい自分で作れって思ったでしょ」
『自覚してるなら直せ』
「やだ。でさ、アスラン。昨日は何があったの?」
『何も言っていないのか?』
「うん。愚痴も絶叫もなし。本当に散歩しただけ。で、何があったの」
『…カガリが言わないのに俺が言うわけにはいかないだろ』
「けち。妹の心配くらいさせてくれたっていいだろ」
『姉じゃないのか』
「違う。妹。絶対に妹だからね」
『お互いいつまでたっても譲らないな』
「カガリは頑固だからね」
『お前もだろ。本当にそっくりだよ、お前たちは』
「そりゃどうも。…あ、ご飯出来たみたいだ。じゃ、後でね」
『ああ。…すまないな、いつも』
「アスランに謝ってもらうことじゃないよ。僕は何も出来ないんだから、愚痴の相手くらいにはならないとね」
『そうか。じゃあ、一時間後に』
「うん」
プッ。
「…さてと。カガリ、カーガーリー。朝ご飯出来たよ」
「んー…。もう少し寝かせろー…」
「おにーさんのベッドを占領しておいて言うセリフじゃないよ、カガリ」
「誰が兄だー。お前はおとーとだろー」
「寝ぼけながら言わないでよ。早く起きてってば。僕もうお腹減ってるんだから」
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キラとアスランと見せかけて内容は双子。
最近固い話ばかりだったのでちょいと息抜きに。はー、さっぱり。
ところで最初の二行、結構誰と誰にでも使えそうなフレーズですよね。何たってディスティニーなんですから。
でも種・デス種通じて現在のところで運命の出会い、とまで称したいのはキラとカガリくらいです、私。