たった一度の思い出が宝物になりました。
たった一度の思い出が、わたしを幸せにしました。
きっと彼は忘れているけれど、わたしはずっと覚えています。
大人が言うような使命感なんか持てなかった。
島を守ると言われても漠然としすぎて実感が沸かなかった。
…それでも。
戦うことを宿命付けられて逃れることが出来ないのなら、せめて自分の意思で戦いたかった。
空高く羽ばたくようにと名付けられたのなら、その名前の通りに。
島のためじゃなくて、わたしの大切な人のために。
まともに動けないこの体でも戦えるのなら。
どんなことをしても守りたい。
「わたし、約束、守れたかな…」
わたしは、あなたの帰ってくる場所を、守っています。
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これで夜逃げ中と言って誰が信じてくれるんだろう…。<嘘だぁ…
やばいですよ、翔子→一騎、物凄いツボですよ。このままハマりきったらどうしよう。ああもう手遅れか…。翔子好きだー。乙姫に続く2人目のヒロインだね!<遠見さんは無視…?
小説版の翔子→一騎のエピソードは見事に補完されてますよね。…でも肉発言はちょっとどうかと思います。
…でも一騎×翔子にはならないのが彼女の辛い所です。
ちくしょー、ゲームを買ったら絶対に最後まで翔子を生き残らせてやるー。
注意・パラレルです。
ここではない時、ここではない場所。
深い海の底には人魚の王国がありました。
慈悲深く偉大な王様が治めるこの王国には、カガリさまという1人のお姫様がいました。
カガリはとても理髪で活動的なお姫様で、少々やんちゃが過ぎるところありましたが、国民一人ひとりにも分け隔てなく仲良くなる気さくさで、国の人気者です。
16歳になった頃、カガリは海の上に出たい、と思うようになりました。
何しろ好奇心の強いカガリです、国王であるお父さまに反対されてもその思いは止まることなく、海の上への憧憬は深まるばかりです。
そしてある夜、チャンスが訪れました。
激しい嵐の夜です。普段ならこっそりでも海の上に出ようとしたらすぐにお父様に見つかってしまいますが、今なら嵐に紛れて出ることが出来ます。
カガリはついに海から顔を上げました。
初めての空は黒い雲に覆われていて激しい雨が海面を打ちつけています。弱い魚や陸の生き物ならすぐに溺れてしまう激しい波で、人魚のカガリも慣れるまでは少し泳ぐのに手間取りました。
あまり海の上に長居するのも拙いので少し見渡したらすぐに帰ろうと思っていたのですが、カガリは少し離れたところに大きな船を見つけました。
カガリは海の上に出るのが初めてなら、船を見るのも初めてです。激しい波に揺られる船に興味を引かれ、カガリは船に近付きました。
すると、揺れに揺れていた船が、ついに転覆してしまいました。
船から多くの人間が投げ出されました。カガリは自分達によく似ているけど尾ひれの代わりに足がある生き物、人間を初めて目にします。次々に溺れて沈んでいく人たちを見て、カガリは助けなきゃ、と使命感に燃えました。
しかしこの激しい嵐の中、人間達はどんどん沈んでいきます。カガリは慌てて1番近くにいた人間を抱きかかえました。
人を抱いたまま泳ぐのは初めてでしたが、ここで手を離してしまってはこの人を死なせてしまうことになります。カガリは抱き締める力を強くして、急いで岸に向かいました。
岸に辿り着いた時には嵐の海域を抜けていました。晴れ晴れとした太陽がカガリの金の髪を綺麗に輝かせています。
カガリは抱きかかえていた人間を岩場に横たわらせました。
その人間はカガリと同じくらいの年齢の男性でした。投げ出されたショックで気を失ったままです。暗い嵐の中では黒と思っていた髪は深い群青色でした。きりっと整った目鼻立ちは精悍な感じをかもし出していますが、まだ青年と呼ぶには少年の幼さが残っています。
どんな目なんだろう、とカガリは顔を覗きこみました。
少年はまだ目を覚まそうとしません。
同じ年頃の友人が少なかったカガリには、初めてと言っていい同じ年頃の異性です。どんな色の目でどんな風に喋るのか、とても興味を持ちました。
どんな風に私と喋るのかな、とカガリはこの少年と話したくなりました。
カガリは少年を起こそうかな、と思いました。しかしせっかく綺麗な寝顔なのに起こすのは勿体無い、と思って止めました。
カガリは少年が目を覚ますのを待つことにしました。投げ出されてからかなり時間が経っているし日差しは暖かいしで、きっと少年はそう時間を経てずに目覚めるでしょう。
早く起きないかな、とカガリは願い、でも寝顔も面白いしな、と、知らず、微笑んでいました。
ん、と息を漏らして、少年が身じろぎしました。
あ、とカガリは身を乗り出しました。少年が目を覚ましそうです。途端に落ち着かなくなりました。
心臓は早鐘を鳴らし、顔はほのかに赤くなっています。もう少しでこの少年と話すことが出来る、カガリの期待はどんどん膨らんでいって、カガリの手が細かに震えてしまいます。
もう少しだ、とカガリが今か今かと待っていると、急にカガリを呼ぶ声が聞こえました。
「カガリ、こんな所にいた…!」
「…キラ!?」
カガリによく似た少年が、焦った風でカガリに近付いてきました。カガリと同じ人魚のこの少年は、カガリの双子のきょうだいです。
どうしてキラが、とカガリが問うまでもありません。勿論キラは、カガリを探しにやって来たのです。
「やっぱり海の上に出てたんだね? ウズミ様、かんかんに怒ってるよ。ほら、早く帰ろ」
「うん…いや、ちょっと待ってくれ。こいつ…」
「…うん?」
ちらり、とカガリは少年を振り返ります。目蓋がかすかに震えていますが、まだ完全には目覚めないようです。キラはカガリの隣までやって来て、この少年を覗き込みました。
「人間…? カガリ、この人どうしたの?」
「嵐で船が難破してたんだ。それで助けて…。なぁ、もう少し待ってくれ。もうちょっとで起きそうなんだ、こいつ」
せめて目が覚めるまで、とカガリはお願いしますが、キラは首を横に振りました。カガリが思っている以上にウズミ様はかんかんに怒っていて、とにかく一刻も早く戻らないといけないのです。
「もう危険はないんだから、これ以上カガリが傍にいても仕方ないだろ?」
「…そうだけど…」
キラの言うとおり、この少年に危険はありません。仕方なく帰ることにしたカガリですがとても後ろ髪を引かれ、何度も振り返りました。
もうちょっとだったのに、とカガリは悔しくてなりません。もう少しであの少年が目を覚ますのを見て、どんな目なのか見て、そして話すことが出来たのに、と、とても残念でした。
それからというもの、カガリはあの少年にまた会いたいと思うようになりました。
あの少年を思い出すたびに、きゅう、と締め付けられるように胸が苦しくなります。見たことのない群青の色の髪だとか、すらっと整った顔立ちとか、意志の強そうな目元だとか、抱き抱えた時のしっかりした体躯だとか、どれもこれもカガリの知らない、カガリにはまぶしいものばかりでした。
あれから無事故郷に帰ることが出来たのかとか、怪我とかはなかったのかとか、気になることは沢山ありましたが、そんなことよりも、ただ一つだけ。
ただもう一度会いたいと、強く強く、思っていました。
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何故に人魚姫。
…出来心です。
息抜きのはずが滅茶苦茶時間かかりました。ざっと1時間くらい。<馬鹿
配役は、カガリ:人魚姫、アスラン:王子、キラ:人魚姫の姉、ウズミ:海の王様、ですね。ハハハ。
となると、王子の婚約者がラクスで…えーと他誰がいましたっけ。
…つ、続ける予定はありませんよ…。
それ以前に続けたら大変なことになってしまいますよ。アスカガでアンハッピーな話なんて絶対に書きたくないから、ラストが変わってしまいますよー。
もしこの先僕達が誰かと結婚しても。
「…キラ、重い」
「うん、ごめん」
「ごめんは分かったから体重かけるのやめろ。重いんだってば」
「やだ」
「我侭言うなよ、いつもお兄さんぶってるくせに」
「おにーさんでもたまには妹に甘えたっていいだろ?」
「弟だって認めるなら甘えてもいいぞ」
「それはちょっと無理だなぁ。カガリがお姉さんだなんて認めたくないし」
「お前みたいな甘ったれが兄なわけないだろ。ほら、こっち」
「…?」
「横からもたれられたら私がバランス崩すだろ。背中合わせで我慢しろ」
「…うん。じゃ、お言葉に甘えて」
「…うわっ!? お前全体重かけたな!? さっきより重…!」
「だってもたれてもいいって言ったのはカガリでしょ?」
「それにしても限度があるだろ、限度が! まったく、キラの甘ったれ!」
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何が言いたかったんだろう。冒頭。<自分で言うなよ
夜逃げ宣言して速攻で何書いてるんだか。許してください息抜きなんです。
キラとカガリの双子話は大好きだー。たまにはこの2人でシリアスも書いてみたいと思うんですが、何も考えずに書くとこーゆー甘えた話になってしまう。何故。
ぱたぱた…
「あ、いたいたー。総士、一騎!」
「…乙姫?」
「何?」
「はい、これ。一人一個だからね」
「…何だ、これは」
「チョコレート…?」
「うん。バレンタインのチョコレート。千鶴に教えて貰ったんだけど、あんまり作れなかったの」
「ふぅん…。…うん、おいしい」
「本当、一騎? ね、ほらほら総士も食べてみて」
「…」
「どう?」
「…美味いんじゃないか」
「良かった! じゃ、皆にも配ってくるね」
ぱたぱた…
「…」
「…一騎。何がおかしい」
「いや、だってなぁ…。お前、甘いもの苦手なんだろ? なのに平気なふりして…」
「…笑うなら我慢してないで笑えばいいだろう」
「ごめん、総士…。っくく…!」
「…(笑うなと言えば良かった)」
「っく、あははは…! はは、ごめん。コーヒーでも奢るから、そう怒るなよ」
「別に怒ってない」
「はいはい。…何だかんだ言って、総士はあの子に甘いよな」
「当たり前だろう。妹だぞ」
「…うん」
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ちょっとフライングしてバレンタイン。
総士と一騎と乙姫の3人が大好き。先日のファフナーオンリーでもこの3人の話を買いまくりました(笑)
そして私は「ファフナー」のヒロインは遠見さんではなく乙姫だと思います。
遠見さんってイラストとか商品とかではヒロイン格として扱われてますが、実際にストーリーの中ではそんなに重要な役割を果たしているとは思えないので…。
そして小説版に乙姫が一行たりとも出ていなかったことに不満が。
注意
文化祭編の折の捏造です。
若干(?)の波乱万丈を含みつつも文化祭が終了。
後は片付けを残すのみ――
「…先輩」
「ん? 何だいハルヒ。こんなところで休憩か? ああハルヒは昨日今日と頑張ったからな、ちょっとくらいなら息抜きしてもバチは…」
「先輩こそ何してたんですか? こんな所で」
「ああ、それはだな、その、ちょっと愛らしいちょうちょさんに誘われて…」
「今秋ですよ」
「うっ。い、いや秋にだってちょうちょの一匹くらいは…」
「それに蝶ならこんな裏庭の用具室の更に裏になんか行かないで中庭とかの花壇を目指すと思いますが」
「…ううう、いや、その…」
どうして隠そうとするんだろう。
1人になりたいって思うのは何も恥ずかしいことでも何でもないのに。
どうして隠そうとするんだろう。
普段日常的にどれだけ下らないことにも拗ねまくる癖に、こんな大切なことに限って。
どうして隠そうとするんだろう。
見つけられたら何でもないことのように振舞ってまで。
「…」
「ハ、ハルヒ…? 何だいこのよしよしは…?」
「いえ、何となく」
「おとーさんはよしよしされるよりする方が好きなんだが…」
「勝手に娘にしないで下さい。父を2人持った覚えはありません」
「いやしかし、俺は本気で娘のように思ってるぞ!」
「先輩がどう思っていても自分は思ってませんから」
「…うう。ハルヒが反抗期に突入してしまった…」
「はいはい、反抗期でも何でもいいです」
隠さなくてもいいじゃないですか。
傷付いたら泣いていいんです。
人に慰められていいんです。
気障で格好付けたがりなのにいつも何処か間が抜けていて全然決まらないおかしい人、それが先輩でしょう。
些細なことで大ダメージを受けたり落ち込んだり拗ねたり、いつも情けない姿を見せてばっかりじゃないですか。
それなのにこんな時だけ、1番肝心な時だけ隠すのはひどいでしょう。
「…先輩は父なんかじゃありませんから」
「あー、また言ってるー! そんなに繰り返さなくてもいいだろう、ハルヒ!」
「先輩は先輩でしょう。…それ以外の何だって言うんですか」
妾の子だろうと本妻の子だろうと、先輩は先輩でしょう。
そんなことに傷付かないで下さい。傷付いたら隠さないで下さい。
泣き虫のあなたが泣けないくらい悲しみを溜め込むくらいなら、いっそ逆に大泣きしてくれたマシなんです。
「…」
「だからハルヒ、このよしよしは何なんだ…?」
「だから何となくです。お気になさらず」
「(気にするなと言われても…)」
悲しいなら泣いて下さい。
全部1人で溜め込まないで下さい。
自分が無茶しないように見張っておくって言ったのは先輩の癖に、その先輩が無茶してどうするんですか。
「…ハルヒー?」
「何ですか」
「やっぱり俺はよしよしする方が好きだぞ」
「そうですか」
「だから、今度は俺がハルヒによしよししてあげよう!」
「はぁ、結構です」
「そっ、そんな即答しなくても…」
「別にされたくないので」
「じゃ、じゃあされたい時はいつでも言いなさい! たとえハルヒが地球の裏側にいても瞬時に駆けつけて…」
「地球の裏側にいたらまず言えないんじゃないですか?」
「そこは愛の力が全てをカバーするのだ!」
「…」
(ブリザード)
「ハ、ハルヒ…?」
「…戻りましょうか。これ以上油を売っていたら鏡夜先輩に無理難題とか押し付けられそうですし」
「おや、もうそんなに時間が経ってしまっていたのか?」
「はい、先輩が姿をくらましてからたっぷり30分も」
「それはまずい…! 早く戻るぞ、ハルヒ!」
「はいはい」
…無理はしないで下さい。
全然平気じゃなくせに、平気に振舞おうとする貴方を見るのは、とても辛いんです。
本当に泣きたい時くらいは、本当に優しくしますから。
「…ハルヒ」
「はい、何ですか?」
「本当によしよしされたい時はちゃんと言うんだぞ? いつでも何処でも駆けつけるからな」
「…はぁ」
「尤も、わざわざハルヒが言わなくても、俺はいつでも何処でもハルヒを見守っているからな!」
「…それってストーカー…?」
「…!(ヒドイ…!)」
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来月号が出るまでのフライング妄想でしたー。
鏡夜さんや双子達は環が姿くらましてるって気付いてるけど敢えて探しに行かなかった、とゆーことで。環って本当に愛されてますよね。
逆ハーレム状態なのに全く気にしない(とゆーかむしろ迷惑してる)ナチュラルに毒舌なハルヒ嬢が大好きです。
環とはカップリングでもいいし、今一頼りにならないおとーさんとしっかり者の娘でもいいです。どっちも大好き。
双子とはお友達、鏡夜は雇い主と雇用者(えー…?)、はにーとは子供とおねーさん、モリ先輩とは寡黙なおにーちゃんと妹、が理想系かな。
ちなみに最後の方で環はハルヒが慰めてくれてるんだって気付いてるということにしているんですが…そ、そんな風にちゃんと見えますか…?(びくびく)