2011年5月3日で配布したペーパーです。
『君に捧げる春恋歌』のオマケを載せていたのですが、途中で無くなってしまい…大変申し訳ないことをしました。
【 後書き代わりのQ&A 】
※『君に捧げる春恋歌』のネタバレです。
読後にお読みください。
Q1.
タイトルは何て読むの?
A1.
『きみにささげるしゅんれんか』です。
「きみ」は「貴方」と言う2人称の意味と、今回総士が王さま役なので「君(=君主)」の意味とを掛詞にしています。
「しゅんれんか」は「はるこいうた」と読んでも問題はありません。何となく「しゅれんか」の方が語呂がいいかなーと思った程度ですので。
ちなみに『春恋歌』は造語のつもりだったので、後にそういうタイトルの歌があると知って驚きました。知らずに付けたタイトルですので、同タイトルの曲との関連性はありません。
Q2.
総士の近習って誰だったの? もしかして操?
A2.
ご想像にお任せします。
行洋と操のどっちの方がいいかなー、と悩んだ結果、ああいう描写になりました。
Q3.
パロディ元と比べて極端に登場人物が削られているみたいだけど?
A3.
話の構成上仕方のないこととご理解ください。
原作の主人公は占者の世話係の女の子で、後に恋仲になる占者を助ける為に奮闘するお話です。王さまと占者は古い友達です。
占者は主人公と恋仲に、王さまには王妃がいるので、原作通りの登場人物で話を進めるのは不可能でした。占者が王さまを口説きまくるあのシーンを一騎と総士で書きたかったので、その為に主人公の女の子を乙姫に配役して占者との恋仲は無しに、王妃はいないことにさせて頂きました。
Q4.
総士が中継ぎの王ってことになってるけど、原作ではそんな設定はなかったよね?
Q4.
中継ぎでなく普通に王位を継いだ王なら必然的に跡継ぎが云々という話になってくるので、総士は王妃を迎えないで一騎と一生ラブってろ!というフラグのつもりで書きました。
Q5.
総士も出て行っちゃって、残された子供たちはどうなったの?
A5.
子供たち、と言っても、本当に小さかったのは皆で暮らし始めた頃で、総士が出た時点で皆10代後半〜10歳前後まで成長しています。大人が少ない村ですので10代の子供でも仕事の口は多く、それぞれが仕事に就いて日々を暮らしています。10歳前後の小さい子のお仕事は家事のお手伝いです。
ちなみに一騎が連れて行かれた時に役人が置いていったお金は、今も誰も使っていません。
『HEAVEN AND EARTH』後の話になります。
特にネタバレというほどネタバレはしてないのですが、一応隠しで。
「あーあ」
「何ため息ばっか吐いてんだ、嬢ちゃん」
「…はぁ。
…一騎くん、前にも増して、皆城くんにべったりになっちゃってるんだよね。勿論私だって、皆城くんが帰ってきてくれて嬉しいよ? 嬉しいけど…」
「嬉しいけど、複雑ってか。まぁ、嬢ちゃんにとっちゃ、強敵が戻ってきたってことだからなぁ。
…で、何でそんな愚痴とため息を俺のところで漏らすんだ?」
「えー、だって暇でしょ? 店長なんだからバイトの愚痴くらい聞いてくれてもいいと思うんだけど」
「ったく。くだを巻いてる暇があったら、直接一騎に言って来いよ」
「直接って、何を?」
「最近皆城くんばっかりに構ってて寂しい、私も構って、ってな」
「…!? そっ、何それ! そんなの言えるわけないでしょ!? ていうか直接すぎ! いくら何でももうちょっと言葉を選んでよ!?」
「いや、こういうのはストレートな方が男心にぐぐっと響いたりするもんなんだぜ?」
「…溝口さんは響いたことがあるの?」
「あん?」
「そーゆーこと、言われたことあるの?」
「さてなー。そいつは秘密だ」
「…ずるい。私には言えって言う癖に、自分は秘密?」
「大人ってのはずるいもんよ」
「もー。
…言わないからね」
「張り合いがねぇなぁ。若いんだから一発ドカンと体当たりしろよ」
「言っても意味ないもん。そーゆーの言ってドカンって来るのは、好きな女の子に言われた時だけだよ」
「…あー(何でそーゆーところは聡いのかねぇ…。子供でも女は女ってか?)」
「それにさ、私よりも皆城くんに言われる方が効果ありそうだよね」
「…いや、さすがにそれは…。総士の方が言わねぇだろ、そんなセリフ…」
「うん。私もそう思うけど。でももし本当に言ったら、多分ものすごくドカンって来るよ」
「…(否定…出来ねぇなぁ…)」
「一騎くんってほんと、皆城くんのことが大好きだよね」
「…いや、嬢ちゃん。そーゆー誤解を招く言い方は…」
「皆城くんもほんとに一騎くんが好きなんだから。もういっそ結婚しちゃえばいいのに」
「おーい嬢ちゃーん。自棄になってねーで帰ってこーい」
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帰ってきてくれて嬉しいけど、一騎を独占されるのは悔しい。
一騎を独占されるのは悔しいけど、総士と一緒の一騎はすごく幸せそうだから嬉しい。
なんて苦い二律背反。