小話帳

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 基本的に書きなぐったブツの収納場所。オチのない話も有り。
 Fate(原作が18禁)とエロっちぃ話はネタバレ機能で隠してます。

  日番谷と雛森(ブリーチ)
2005/09/09 ◆ その他・漫画
「…あ…れ?」
「目ぇ覚めたか」
「…シロちゃん…? どうしてあたしの部屋…」
「何処をどう見たらてめぇの部屋に見えるんだよ。覚えてねぇのか、この馬鹿」
「ば…っ、馬鹿じゃないもん! ええと、宴会してたのよね、夜桜の。それで…どうしてこんな所にいるの…?」
「ぶっ倒れたんだよお前。完全に寝てたから、仕方なく近くの部屋まで運んでやった」
「そうなんだー…。うん、ありがとう、シロちゃん」
「…そのシロちゃんっての止めろっつってんだろ」
「あ、うん。ごめん、日番谷くん」
「ったく。弱いなら弱いで、自分の限界考えて飲めっての」
「…だって…。…美味しいのかなって思ったんだもん」
「ああ?」
「藍染隊長が飲んでたお酒。楽しそうに飲んでるから…」
「…馬鹿だお前。馬鹿決定だ、この馬鹿」
「ばかばか言わないでよぅ…! あたしだってあんなにきついお酒だなんて思ってなかったんだから…!」
「ったく…」
「…それ、何?」
「酒。さっきお前が寝てる間に、松本が見舞いがてらに持ってきた」
「ふうん…」
「…飲むか?」
「…美味しいの…?」
「さっきお前が目回したのと同じくらいにな」
「…日番谷くん…! もう、からかわないでよ!」


      ===============

 やってしまったー…(笑)
 はい、日番谷隊長と雛森ちゃんです。
 シチュエーションとしては、公的な宴会ですかね。夜桜をめでる会? 京楽さん辺りが主催してそう(笑)

 雛森ちゃんは酒に弱いの希望。ビール一杯で顔真っ赤(ソウルソサエティにビールってあるの…?)
 そして日番谷隊長はザル希望。飲むと気分が高揚したりするけど、酒に飲まれて倒れたことは一回もなし、とか。飲めるけど乱菊ねえさんみたいに好んでる訳じゃない、と。
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  アスランとカガリ
2005/09/01 ◆ 種・デス種
『カガリ、オーブに残るって』

 親友が言ったセリフは自分でも不思議な程冷静に受け止めることが出来た。
 おそらくそうなるだろうと思っていたし、覚悟もしていた。それでも実際に告げられたらもっと戸惑うだろうと思っていたのだが。
 実際に俺が思ったのは、それで良いという、安堵だった。



「…すまない」
「…カガリ」
「私も、出来るなら一緒に行きたい。だけど…」
「分かってる。今はオーブの体勢を整えるのが先決だろう?」
「…ああ」

 カガリは左手を右手で抱いていた。それは丁度俺が贈った指輪を抱いているようにも見える。おそらくカガリ自身意識してやっていることじゃないんだろう。無意識で行ってしまう程大事にされているのかと、俺は場違いにも口元が緩んだ。

 公的な立場と、個人的な感情。今そのどちらを優先するべきなのかなんて分かりきってる。
 オーブの姫君。獅子の娘。国民皆に愛される、この国の代表首長。たった18歳で重すぎる責任を負いながらもそれを重荷と思わない。カガリはこの国を誰よりも1番に愛してる。
 その彼女が、今本国を離れられる訳がない。

 一緒に来て欲しい、そう思わない筈がない。
 だけど、そんな我侭を言うつもりもないし、そして言える筈もない。
 オーブの為なら命をも賭すことが出来る、その強烈な意志をも含めたカガリその人が好きだから。
 彼女の邪魔をするようなことは言えない。

「…楽しみにしている」
「…え?」
「帰って来た時、オーブがどんな風になっているか。楽しみだ」
「アスラン…」

 何かの戯曲ならきっと愛を語り合う場面なんだろうと思う。
 だけど俺は戯曲の主人公じゃないから、気の利いた愛のセリフなんて吐けない。
 そしてカガリは戯曲のヒロインじゃなくて、戦いに行く主人公を待つような性格でもない。
 カガリは戦友だ。宇宙とオーブ、MSでの戦闘と政治の戦い。場所が違うだけでカガリは一緒に戦っている。

 だから待っていろ、なんて言わない。絶対に言わない。
 戦果を楽しみにしているとだけ告げる。
 俺とカガリには、それが相応しいと思った。

「…ああ。楽しみにしていろ。オーブは絶対に私が護るんだから」


 そう力強く微笑むカガリが、とても好きだ。



        ==============

 45話ネタ再び。
 無性にアスランとカガリの会話が書きたくなっちゃって…。
 しかし実際に書いてみても、他の皆様のようなラブっぷり皆無。むしろ昨日の方が恋愛色は濃かったんじゃ…。
 あああああラブラブ馬鹿ップルな2人を書けるのはいつの日なんだぁあああ(一生来ない気がする…)

 何かねぇ、こう、私の中のアスカガ像って、結構殺伐としてるんですよ。
 ぶっちゃけ恋人じゃなくてもいいや、みたいな。(ゑ…?)
 戦友ってのは想い人のことを称する言葉ではないとも分かってますが、私の中では「アスランとカガリは恋人同士だけどそれ以前に2人は戦友なんだ」という意識がある訳です。
 だから今回のコレは、恋情が薄くなっちゃったんですね。

 …いっそアスランとカガリが敵対するパラレルでも書いてやりましょうか。
 「ロミオとジュリエット」みたいに家を捨てて恋を選ぶなんて出来ない2人だから、痛い話になるのは確実ですぜ…(遠い目)
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  カガリとアスラン
2005/08/30 ◆ 種・デス種
 ――今は。




 その夜カガリがアスハ邸に戻れたのは、日付が変わろうとする頃だった。
 プラント本国への直接攻撃もあって、現在はザフト軍とは小康状態を保っている。だが未だ監視の艦隊はオーブ領海の外に陣取っているし、実質的に政権を握っていたセイラン親子の失踪――戦渦に巻き込まれて死亡したのではないか、という見方が強まってきているが、未だ死体は発見されていない――もあり、現在の行政府は正にてんてこ舞いだ。紆余曲折を経て帰国した代表首長であるカガリも、当然の如く。

 普段は多くの侍女などがくるくると働くアスハ邸も、この時間ともなれば静まり返っている。マーナなどははカガリの帰りを待っていたが、殆どはもう既に眠っているのだろう。
 気遣わしげに見つめるマーナに大丈夫だから、と声をかけて、カガリは自邸の執務室へ向かった。
 執務机のパソコンに電源を入れると、液晶の画面が即座に多くのファイルが転送されてきたことを示した。
 行政府では処理し切れなかった懸案が執務室のパソコンにも転送されている。その幾つかは明日中には決済しなければいけないものだったが、カガリはそのままパソコンの画面を閉じた。

 背後の窓から月明かりが差し込んでいる。その光に照らされて、赤い石が輝いた。

「…」

 もはや癖になってしまった仕草でカガリはその指輪を撫でた。
 想い人がくれた大切な指輪。それを、カガリは外す。

 薄く目を細めた金の目は指輪を通して何を見ているのか。
 半身とも呼べるきょうだいから手渡された時のように、カガリは指輪を胸に抱いた。

 いつまでそうしていたのだろうか。
 カガリは顔を上げた。
 強く前を見据えたその瞳は、何かを決意した者の光だった。

 カガリは執務机の上を簡単に片付けて、自室へと向かった。
 明日はアークエンジェルが出航する。寝不足の顔で見送りに行って、皆に余計な心配をかけるわけにはいかない。



 大切に外されて、大切に抱き締められた指輪。
 それは一時の別れを決意する為の、何よりも神聖な儀式だった。



    =============

 はいはい、時事ネタはさっさと消化しておきましょうねとゆーことで、45話ネタで御座います。
 某おねーさんに先を越されてなるものか、と無意味な対抗心を燃やしたのは秘密です(笑)

 他のアスカガサイトさんとか見てたら、前夜にアスランとムニャムニャとか、キラと話したりとかが多いみたいですね。私はカガリは1人で指輪外したんじゃないかなー、と思ったから書きましたが、キラとの会話も捨てがたい。

 カガリ1人でも「カガリとアスラン」なんですよー。
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  アスランとカガリ その4
2005/08/28 ◆ 種・デス種
 次の朝、カガリは約束通りに獣の屋敷を出て行った。
 カガリは獣に一声かけようと屋敷内を探したが、獣の姿は見当たらなかった。
 その日、獣は屋敷に戻らなかった。


 その日以降、森からカガリが消えた。
 いつもいつも獣の屋敷の前に陣取って獣を見つめていたのに、何処にもいなくなった。

 獣は安堵した。ようやくあの娘は帰ったのだと。
 だが、獣は同時に娘の不在を寂しく思う自分にも気付いていた。
 馬鹿なと、獣は自分を叱咤した。
 娘がいたのは1ヵ月強。見るからに上流階級の人間にしては長くもったと言える。おそらくあの日の冷え込みがなければ、娘はまだ居続けていたかもしれない。

 だが、いつかはいなくなる。必ず獣から離れていく。
 あの娘も、誰もかもが。


 森は静穏になっていった。
 強まっていく寒気に備えて森の動物達は冬支度を進めていく。
 獣は屋敷にいる限りは寒さも暑さも問題はないので、ただ体に感じる風の冷たさに身を震わせるようになっていくだけだった。

 そんな秋のある日、獣は信じられないものを見た。
 足を止めて呆然と、その信じられない「者」を見つめる。
 獣の屋敷の前。大木の下。つい先日まで金色の娘が陣取っていた場所、娘がいなくなってからは何者も近寄らなくなったそこに。
 家に帰ったはずの娘が、以前と変わらぬ姿で座っていた。

「…」
「…あ」

 カガリは獣を見つけると、満面に笑顔を浮かべた。年相応な喜色満面にした輝くような笑顔だった。
 獣はその笑顔に見惚れるように動きを止めた。

「…帰れと言ったはずだ」
「うん?」

 カガリは首を傾げたが、すぐに獣の意図に気付いた。
 ああ、と頷き、くすりと喉を鳴らせる。

「ちゃんと次の朝には出て行った。お前に一声かけてからと思ったんだがな」
「…何故戻ってきた!」
「私は出て行くとは行ったけど、帰るとは言わなかった。そうだろ?」
「…」

 屁理屈だと、獣は苛々と顔を振った。
 カガリも自分の言っていることが屁理屈だと分かっているが、しかしカガリも譲るわけにはいかなかった。

「ひとまずふもとの村で冬支度をしてきたんだ。これからもっと冷えるんだろうから、森で冬を過ごすコツも教えてもらってきたんだぞ」

 カガリはほらほら、と入手してきた毛布を獣に見せるが、獣にはそんなものは全く目に入らない。
 獣はこれまでになく苛立っていた。娘にも、自分にも。

 キィ、と門が音を立てた。黒い門を開いて屋敷が主を歓迎する。
 獣は門の方へは向かわず、娘に近付いた。

「…? 何だ?」

 獣から娘に近付いてきたのは、この時が初めてだった。娘は反射的に体を固くする。
 帰れと言われても帰らないからな、と意固地になるカガリには構わずに、獣は娘の荷物を咥えた。寒さに耐えるための荷物は、少女が担ぐには辛い重さだった。

「お、おい!?」
「…」

 カガリが慌てるのを尻目に、獣は荷物を咥えたまま屋敷に入っていった。カガリは少し躊躇っていたがすぐに獣を追って屋敷に入っていった。
 獣は先々に進んでいく。庭を抜けて外廊を歩き、屋敷の一室の前でやっと止まった。そこは以前カガリが休んだ部屋だった。

「おい…?」
「…」

 獣は部屋の前に荷物を置いた。怪訝に見つめるカガリの視線から逃れるように顔を逸らす。

「…前にも言った。門の前で凍死されても迷惑だ」
「え…」

 カガリは無意識に獣に手を伸ばした。が、その手が触れることはない。獣はすっと身をひるがえし、カガリから逃げる。

「…いいのか? ここにいても」
「…」

 獣は答えない。が、肯定であることは間違いなかった。カガリは獣が運んできてくれた荷物をきゅっと抱え、遠ざかっていく獣に叫んだ。

「ありがとう…!」

 獣は答えない。
 獣には、ただ答えることすら出来ない。



 つづく


       ===============

 大分間が開きました。お楽しみの方々、すみませんねぇ…。
(いるのか?)

 4話にしてようやく獣の懐に入ることが出来たカガリ。
 さぁてカガリが獣の名前を知ることが出来るのはいつの日か。
(他人事のように言うな…)
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  一騎と総士
2005/07/26 ◆ 蒼穹のファフナー
 派手な爆音が建物を震撼させた。とっさに飛び出した部屋が炎に包まれるのを確認もせずに、一騎は走り出した。左手で銃を構え、右手で総士の手を引いて。
 一騎の利き腕は右だから本当なら右で銃を扱いたいところだが、総士の左目は視界が一部欠けている為、一騎は総士の左に回る必要がある。それに、もうとっくに左で銃を扱うのにも慣れた。

「今度はまた派手だな」
「変なことに感心するなよ…ッ」

 見るからに重装備の人間達が追ってきていた。一騎がちらりと振り返っただけでも、マシンガンからショットガンまで勢揃いだ。どうやら目標の抹殺の為なら形振り構わない類の人間達のようだ。
 角を曲がると同時に一騎は引き鉄を引き、追手の脚と手を打ち抜いた。
 間髪いれずに走り出したのは勿論追いつかれない為だが、同時に一騎は自分が付けた傷を見たくなかった。

「追って来ているのは一個小隊と言った所か。陽動ではないだろうが、伏兵はいると考えた方がいいだろう」
「無線機を使ってる奴がいた。増援を呼んでたのかは分からないけど…」
「一騎、次を右だ」
「次って、行き止まりだぞ?」
「すぐ下は駐車場だ。植木にでも飛び降りれば無傷で逃げられる」
「分かったっ」

 総士の予想通り、いつの間にか追手の数が増えていた。この調子ではおそらく外にも張り込んでいるだろう。既にエマージェンシーコールは済ませてある。車にさえ乗り込んでしまえばバズーカでも持ち出されない限りは逃げ切れる。だから、とにかく今の問題は車までだ。
 不意に銃撃が止んだ。何だ、と一騎が振り向くと、正に追手の手から手榴弾が投げられた瞬間だった。最初の爆破と言いこの手榴弾と言い、とにかく吹っ飛ばすのが好きな連中らしい。

「このっ…!」

 一騎達の足元に着地した手榴弾を、一騎は蹴った。着地した時点で爆発まであと1秒足らずだった手榴弾は追っ手までは届かずに、一騎達と追手達の中空で爆発した。それを煙幕代わりにして、一騎と総士は勢いよくガラス窓から飛び降りる。
 一騎は総士を抱きかかえるように飛び降りたかったのだが、生憎とそこまで体勢はよくなかった。2人は椿の垣根に飛び込む格好で着地する。一騎の方が先に立ち上がり、再び総士の手を取った。

「行こう!」
「ああ」

 案の定駐車場にも待機していた武装集団が、一騎達を発見して追いかけてくる。だが幸いにも着地点と一騎達の車は近く、敵が発砲するよりも早くに乗り込むことが出来た。

「総士、運転頼む!」
「分かった。任せろ」

 総士に運転を任せて、一騎は助手席の窓から身を乗り出した。ボックスに仕込んであった発炎筒を投げ捨てる。視界の利かなくなった敵はがむしゃらに発砲しだすが、適当な射撃など防弾仕様の車体とガラスには通用しない。
 敵も用意していた車で追って来たが、一騎の適確な射撃でタイヤを打ち抜かれ、スリップして消えた。
 追っ手の姿が見えなくなるのを確認すると、一騎は体を車内に戻して一息吐いた。

「もう大丈夫だと思う、多分」
「そのようだな。ご苦労様だ、一騎」
「別に…。俺、運転変わろうか」
「いいや、このままでいい。ランデブーポイントまでそう距離もないからな。少しくらいは休んでおけ」

 息を吐けるこの瞬間だけは、まだ終わらない騒乱とは対照的な、穏やかな空気が2人を包んでいた。


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 …えーと。
 何処から弁明すればいいのか…(遠い目)

 総士は会合の出席者です。何の会合で総士は何の立場なのかまでは考えてません。そこまで考えてたら小話にせずにシリーズにでもします。
 一騎は総士の護衛をやってます。射撃訓練もこなしてるし、人間の部隊相手の実戦も積んでます。溝口さんみたいな感じです。
 で、テロリストに襲われた、という状況ですね。

 某お姉さまの最終話後の構想や、別の某お姉さまのデス種パラレルイラストの影響を受けたのが丸分かりです。

 …悪気はないんです…!(言い訳…)
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